プレミアムコラム

“産地の個性”がでている紅茶の魅力(Vol.4)

CafeSnapのプレアミアムコラム、Vol.4では産地によって違う “紅茶の個性”や“旬”をどのようにキャッチしているのか、ティーマスタ―の水野学さんに伺いました。

コーヒーは、豆そのものの味わいを知るために“カッピング”をしますが、紅茶にもその茶葉がもつ味わいを知るための“テイスティング”があるとのこと。コーヒーとは違ったその方法とは?

紅茶は旬の時期に“個性”が際立つ
大井
水野さんは産地まで茶葉を買いに行かれているということですが、どんな基準で茶葉を選ばれているのでしょうか?
水野さん
繰り返しになってしまいますが、その土地、その季節の特徴が一番表れているものを選ぶようにしていますね。例えばスリランカでは、ウバはわりと個性が強い産地です。他の紅茶屋さんや同業者の中にはその強さゆえに「ウバのピークは入荷しない」というところもあるようです。

でも僕はピークが一番、産地の香りや特徴がよく表れていると思っているので、そういったものを取り扱うようにしています。ウバが苦手な人にウバを薦める必要はないですし、とにかく産地の特徴が一番出ているものを飲んで、紅茶のおいしさや選ぶ楽しさを知ってもらいたいという思いで選んでいますね。
大井
産地に行く時期というのは、年間で決まっているんですか?
水野さん
インドのダージリンであれば、ダージリンらしさが一番表れるセカンドフラッシュの季節には行くようにしています。スリランカはウバとディンブラという産地で年に2回のシーズンがあるんですが、ディンブラのシーズンには必ず行っています。

その理由としては世界的に早く濃く出るティーバッグのニーズが高くなり、スリランカ全体で香りがいいお茶を作る茶園が少なくなってきているからです。産地特有の香りを出すためには、土地や気候などを踏まえたうえで作り手の技術が必要です。そうした技術を駆使して作られる紅茶は少なくなってきているので、それを探すために現地に行っています。

特にディンブラは本来の旬の香りがあるものはすごく少ないです。それからディンブラは当店で取り扱っている産地の中では一番価格帯が低いお茶なのですが、日常的に飲むお茶にこそ美味しいお茶を飲んでもらいたいので、必ず現地に行ってよいものを選ぶようにしています。
紅茶の特徴は“香り”に現れる
大井
産地の個性が出ている紅茶と、出ていない紅茶はどのように判断されているんですか?
水野さん
紅茶の場合、お茶の特徴が一番現れるのは“香り”ですね。香りも色々な種類があって、同じ産地の同じシーズンで同じ生産者であっても毎年変わります。また鼻から感じる香りだけでなく舌で感じる味わいも重要。味は香りの下支えになっており、密接に関係しています。そして味わいは渋味や旨味、甘味、酸味などが複雑に絡みあってできています。

ただ日本人は渋味を極端に嫌う方が多い。お店でもお客様に「どんなお茶が好きですか」と聞くと「渋くないもの」とよく言われますが、渋みは味に立体感や奥行きを持たせるお茶にとって大事な美味しさの構成要素です。なので、渋味や旨味、甘味、酸味などのバランスは重要だと考えていますね。
紅茶の味を確認するテイスティング方法
大井
コーヒー豆の場合はカッピングという方法がありますが、紅茶の場合は産地でどのように味を確認するのでしょうか?
水野さん
紅茶の場合もテイスティングがあります。産地によって微妙に違い差があったり、国内でもバイヤーさんによって淹れ方が違ったりします。産地では一般的に2.8g~3gの茶葉に150ccのお湯を注いで5分待ったものでテイスティングします。テイスティング用の紅茶は普段飲むものよりも濃くて飲みづらいんですが、しっかりと抽出することで茶葉が持っているポテンシャルを全部引き出してテイスティングします。
大井
いい味も悪い味も引き出して味わってみるという事ですね。コーヒーの場合は、冷めてくるとまた味わいが変わったりすることがありますが、紅茶の場合はいかがでしょうか?
水野さん
基本的に紅茶の旬はドライシーズンが多いんですね。乾季になると、お茶の木が生き残るために自分で栄養を蓄えようとするので、その力が味やクオリティに表れてくるようです。果物やワインに使うブドウも、雨の多い時よりも、乾いた時期のほうが果物の旨みが凝縮されると聞いたことがありますね。
大井
何分かたって冷めてから味をみることが多いですね。
水野さん
はい。インドで代表的な産地のダージリンは、春は3月から4月の頭、夏は5月の終わりから6月の前半、秋は10月から11月。その3回シーズンが旬で、それぞれ季節の特徴が表れた紅茶が作られます。
大井
冷めてからの方が、舌が味を感じやすいといいますよね。紅茶の香りは冷めても残るのでしょうか。
水野さん
残りますね。淹れたての香りは、それはそれで大事なのですが、紅茶の香りは実は茶殻を嗅ぐのが一番わかりやすいんです。カップからの香りや味は水質によって変わることがありますが、茶殻の香りはわりと均一。なので、茶殻の香りをかいで茶葉が持っているクオリティを見極めています。
この続きはVol.5の「シングルオリジンティーと紅茶業界のこれから」で!次回の公開は1月31日(火)です!どうぞお楽しみに!
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chai break (吉祥寺・東京都)
営業時間:9:00〜19:00(土日祝8:00~19:00)
住所:東京都武蔵野市御殿山1-3-2

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