井奈波さんが考える“コミュニティカフェ”とは(Vol.5)
東向島珈琲店のマスター、井奈波さんにお話を伺っているCafeSnapのプレミアムコラム。
最終回は街を盛り上げるための取り組みにも積極的な東向島珈琲店が、時にそう呼ばれる、“コミュニティカフェ”について。井奈波さんにとってコミュニティカフェとは……?を伺いました。
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- 井奈波さん流のカフェの作り方
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- 大井
- 井奈波さんは、墨田エリアを盛り上げるための「食のまちめぐり推進事業実行委員会」の委員長を務められていたこともありますね。東向島珈琲店はこの地域にとって重要な“コミュニティカフェ”と呼ばれることがあると思いますが、それについてはどう思いますか?
- 井奈波さん
- 外から「コミュニティカフェだね」と言っていただけることはありがたいですが、当店が自らすすんで言う事ではないと思っています。なぜなら「コミュニティカフェです」と言葉にしたところで、社会を大きく変えられないじゃないですか。
でも当店に集まる人はみんな、なんとなく「社会をよくしていきたいよね」という想いがどこかにあって、料理や飲み物や空間をきっかけにここを訪れて、集まって、しゃべっている。「同じ想いをもっている人達が、ただ集まって語らうことが、コミュニティカフェの兆しになるじゃないかな」と思っているくらいです。
- 大井
- きっと井奈波さんがそういう思いをもっていらっしゃるから、それに心が揃う人達が集まってくるのかなと思いますが。
- 井奈波さん
- そうかもしれないですね。
- 大井
- これからお店を作りたいと思っている方と話をすると、「人が集まるカフェを作りたい」「コミュニティカフェを作りたい」とおっしゃる方は多いんですね。そういう方に、なにかアドバイスをいただけますか?
- 井奈波さん
- 「コミュニティカフェを作りたい」というのは、いいことなのかな……(笑)?それが主というよりかは、“それも”あるようなカフェを作った方がいいような気がします。
大事なのは、規模感、サイズを含めて、“自分が触った形がわかるようなお店作り”。そうじゃなかったら組織のカフェに入ったほうがいい。すごく感覚的な話だけど、そう思います。
- カフェは、その人がその人らしくいられる場所
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- 大井
- 最後に、コラムでお話を伺っている方に「あなたにとってカフェとは」という質問をさせて頂いているのですが、「井奈波さんにとってカフェとはなんでしょうか?」
- 井奈波さん
- なんだろうな、いっぱい浮かんじゃうな。
……。
その人がその人らしくいられる場所。そうありたいという思う状態になれる場所なんだろうと思います。
- 大井
- どうしてそう思われるのでしょうか?
- 井奈波さん
- 東向島珈琲店がその役割を担いたいなと思うからでしょう。心の骨盤矯正みたいな感じですね。自分なりに健やかな気持ちに調整ができる場所……もしくは、する場所……。場所がそうしてくれるのか、僕を含めてここにいる人がそうさせてあげあるのか。ここに来て、コーヒー飲むことによって「よし!」って元気がでるみたいな、そんなところにしていきたいですね。
- 大井
- 外の世界はいろいろなことがありますからね。“自分自身を取り戻せる場所”はこれからより一層、大事になっていきそうですね。わかりました。今日はどうもありがとうございました。
- 井奈波さん
- ありがとうございます。
- 次回、12月20日(火)からのプレミアムコラムは、ブルーボトルコーヒーのバリスタトレーナー、藤岡 響さんの登場です。どうぞお楽しみに!
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