コーヒーで注目される街、ポートランドと東京の共通点（Vol.2）

ブルーボトルコーヒーの創業者でありCEOのジェームス・フリーマンさんにお話をお伺いしているプレミアムコラム。Vol.2はブルーボトルコーヒーの未来について。新たな店舗やスタートしたばかりのネット販売。そして、日本のコーヒー好きも注目するアメリカの人気コーヒータウン、ポートランドと東京の共通点を伺いました。

2016年はさらなる店舗の拡大、そしてネット販売をスタート

大井: 秋には六本木がオープンします。ブルーボトルコーヒーの2016年の展開を教えてください。

ジェームスさん: いま私たちが店舗を展開している東京、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨークに引き続き注力します。そのエリアで面白い場所を探して店舗を増やしていきたいと思っています。

新しいお店をオープンすることは、小説でいう「次の章の開く」感覚です。東京でいうと、私達が最初に清澄白河にお店を出すことになったとき「なぜ清澄白河に？」と人々が興味を持ってくれました、それは一般的なやり方ではなかったからかもしれません。しかし、青山、新宿と新たな店舗をオープンすると、人々はブルーボトルコーヒーの物語を理解し始めます。どの場所に出したら私達の物語が面白くなって、更なる成功に繋がるのか、次に展開する店舗については、日々日本のチームと話しているところです。

大井: 4月4日（月）にはインターネット販売もスタートしましたね。

ジェームスさん: 今までは東京の方だけにコーヒーを楽しんでいただいていましたが、今後は日本中でブルーボトルのコーヒーを飲んでいただけるようになります。まずは店頭で販売しているコーヒー豆や抽出器具などのグッズをそろえ、後々は、インターネットだけの限定商品なども発売していけたらいいですね。

私は世界中のカフェに出向いて、そこに来るお客様のリサーチをしているのですが、実はネット販売で人がどのようにコーヒーを購入するのか……はまだ研究しているところです。

アメリカではスマホを使ってネットで買い物をすることは一般的になっていますが、日本でお客様がどのようにコーヒーをネットで買われるのか、何が求められるのか、まずは知りたいと思っています。

大井: ネットで購入できるということは、自宅でブルーボトルのコーヒーを楽しむ人も増えてきますよね。コーヒーを人々のライフスタイルの一部にしてほしいという想いもあるのでしょうか？

ジェームスさん: そうですね。実は、アメリカのブルーボトルコーヒーのサイトで人気のコンテンツは「コーヒーの淹れ方ガイド」なんです。プアオーバーやエアロプレスなど様々な抽出方法を紹介していて、とてもアクセスが多い。当然、豆を購入したらどんな器具が必要で、どのように淹れたらいいのか、気になりますよね。だから、コーヒーの淹れ方を紹介するページを日本のお客様向けにカスタマイズして、今後公開したいと思っています。

ポートランドと日本の共通点は“コーヒーの多様性”

大井: ブルーボトルの上陸とともに、日本ではコーヒーブームがさらに加速しました。ジェームスさんの母国であるアメリカでは、ポートランドがコーヒータウンとして注目を集めていますね。ポートランドのコーヒー文化はどのようなものでしょうか。

ジェームスさん: ポートランドはとても面白い街です。小さくて人口も少ないのに、小さいロースターやカフェが本当にたくさんあります。カフェがありすぎるので、どこかの店に人が集中するということもなく、ビジネス的には「どう成り立っているのだろう」と興味深く見ています。

ポートランドだけでなく、サンフランシスコ、ロサンゼルス、そして日本。このエリアはコーヒーのクオリティが非常に高い。中でも東京は素晴らしいと思います。SWITCH COFFEEもGLITCH COFFEEもLittle NapもFUGLENも、それぞれ作る人の個性が強く反映されたコーヒーで、店主の方はそこに情熱を注いでいますよね。それは素晴らしいことです。

そして、ポートランドや東京はドリップコーヒーとエスプレッソドリンク、両方が受け入れられています。例えば、先日行ったのですが、SWITCH COFFEEは北欧のコーヒーを連想させるようなスタイルで、ドリップの仕方も素晴らしかった。Bear Pond Espressoは、小さいエスプレッソカップに濃厚なエスプレッソが少し入っていて、そこに強い個性を感じました。全くスタイルは違うのにそれぞれが人気店。街の中で様々なコーヒーに出会えること、それが東京とポートランドの最大の魅力だと思います。

この続きは、4月8日（金）公開予定の「Vol.3 ジェームスさんが考える“夢を叶える秘訣”」で！どうぞお楽しみに！

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