スターバックス上陸がもたらした大きな変化(Vol.2)
CafeSnapブレンドを焙煎いただいているグラウベルコーヒーの狩野さん、コーヒー関連の編集・ライターをされている藤原さんに2000年以降のカフェやコーヒーを取り巻く環境についてお話をお伺いしているプレミアムコラム。
今回はスターバックスが日本に上陸したことでコーヒー業界に起きた変化、そして作り手の印象を変えた“バリスタ”の出現について伺いました。
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- コーヒーを身近にさせたスターバックスのアプローチ
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- 大井
- スターバックスという言葉が出てきましたけれども、スターバックスが日本に上陸した辺りから色々なことが変わってきたのでしょうか?
- 狩野さん
- トークイベントのためにお勉強してきたんですけど(笑)。スタバが日本に上陸したのが1996年なんですね。スターバックスは深煎りのコーヒーにミルクやキャラメルなどシロップなどをかけて提供していたので、コーヒーが飲みやすくなって、それまで「酸味が」とか「苦くて胃が痛くなっちゃう」と言っていた人のコーヒーに対する抵抗がなくなったんですよね。コーヒーを色々な飲み方で楽しめるように提案したことは、業界に大きな変化を起こしたと思います。
- 藤原さん
- そういったアレンジコーヒーが出てきたおかげでコーヒーの味が身近になったり、馴染みがでてきましたよね。それプラス“おしゃれ”、っていうのが、みんながコーヒーを好きになるきっかけになったんじゃないかなと思います。だからスターバックスの役割は大きいですよね。
- 大井
- おしゃれっていうのは、どのポイントで?
- 藤原さん
- 店作りや注文の仕方。キャッシュオンデリバリーでしたよね。それから、「スモール」じゃなくて「ショート」とか注文がしにくい(笑)そして、何より禁煙! 私が思うに喫茶店はわりとおじさんがたばこを吸ったりする場所になっていたと思うんですよ。でも、スターバックスの客層には見事におじさんがいなくて、その代わりに若い人がいる。そういうのが新しかったような気がします。
- 大井
- 若い層や今までコーヒーを飲まなかった層もスターバックスをきっかけに関心を持つようになっていったんですね。
- 藤原さん
- そうですね。
- 作り手の印象をガラリと変えた“バリスタ”の出現
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- 大井
- スターバックスは、コーヒーを作る人たちにも変化をもたらしたように思うのですが……というのも、昔は“喫茶店の店主”でしたけど、新たに“バリスタ”という人たちが出てきましたよね。
- 藤原さん
- 私は書籍の編集やライティングをしていたので、コーヒー関係者の方にお会いする機会も多かったんですけど、昔は割と地味な感じだったんですよ、焙煎士の方も店主も(笑)
- 狩野さん
- そこから、たしか2007年くらいのSCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)のカッピングセミナーに行ったときに、初めて“バリスタ”に出会って。会場でお会いしたあるコーヒー店の奥様に「普段、私達が接している人たちと違う人たちがいるんですけど!」と言ったら、「そうなんですよ。バリスタっていう人たちは、自分のパフォーマンスやコーヒーを作る姿を見られることに慣れてるから、みんなかっこいいですよね」って。イケメンな人が多かったので、私も「かっこいい!」ってときめいちゃって(笑)それは、今までにない体験だったんです。本当に衝撃的でしたね。
- 大井
- 藤原さんはいかがでしたか?
- 藤原さん
- そうですね。新しい流れが出てきたなと思いました。例えば昔は「バンドをやりたい」とか、そういう憧れの職業があると思うんですけど、あんなにかっこいいんだったら「バリスタになりたい」と憧れられる存在になるんじゃないかなと思いました。そういうのが新しいというか、今までコーヒーに興味を持っていなかった人たちを巻き込むことになったひとつの原因になっているんじゃないかなと思いますね。
- 大井
- CafeSnapを作っていると、カフェや喫茶店にはオーナーの人柄が色濃くでていて、“店=オーナ”だなと感じるのですが、バリスタが店に立つようになって、お店の雰囲気も変わっていったのでしょうか?
- この続きは、Vol.3の「バリスタが作り出す、新たなカフェ空間」で!次回は、 6月17日(金)公開予定です。どうぞお楽しみに!
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