憧れの世界に導いてくれた “あの場所”を目指して（Vol.4）

池尻大橋にある“Good People ＆ Good Coffee”の代表、池田誠さんにお話をお伺いしているプレミアムコラム。今回は池田さんが考える「コーヒー×ファッション」の関係について、そしてＧＰ＆ＧＣのこれからの目標を伺いました。

ファッションとコーヒーの関係

大井: 池田さんは長い間、ファッション業界にいらっしゃって、今はこだわりのあるコーヒーをお店で提供されています。コーヒーとファッションの関係についてはどのように考えていますか？「コーヒーをファッション感覚で捉えるのはどうなんだ」という話も聞くことがあるのですが。

池田さん: 難しいところですよね……。僕は、コーヒーを毎日飲みますし、ご飯を食べるのと同じ感覚でいるんですね。洋服やファッションも一緒じゃないですか、デイリーユースって言葉があるくらいで。結局、毎日必要なものとして、同じなのかなと思うんです。どちらが重要とか、どちらが上というのも僕には決められないですし、分からないです。

コーヒーを飲みにいくにしても、オシャレして行きたいだろうし（笑）。「コーヒースタンドにオシャレしていく」っていう、そういう関係性っていうのはあってもいいんじゃないかなと思います。味だけを追求することもすごく素晴らしいことだと思うんですけど、世界観というか……好きな服を着て、自分が好きな店に出かけて行って、そこで過ごす時の気分ってあるじゃないですか。“自分の好きなことの中にいる”という点では、ファッションもコーヒーも一緒かなと思います。

どこよりも早くGP＆GCからトレンドを発信

池田さん: 自分で言うのもなんですが、カフェ＋αで、ギャラリーやポップアップを始めて、そういうスタイルもありだと証明できたパイオニア的な店だと思うんですね。今でこそ、いろんなところがポップアップやギャラリー的要素を打ち出しているんですけど、たぶんうちは早かったと思います。そういう部分では発信力が強かったんじゃないかと。

メニューに関しても最近、他のカフェでも見かけるようになりましたが、フラットホワイトはいち早くメニューに取り入れていました。今年の夏からスタートしたスペシャルティコーヒーを使ったコーヒーゼリーラテも、そろそろブームになるタイミングを見計らって作った新作のドリンクです。世の中の動向を見ながら次に山がくるものを先にやるっていうのは、やってないと分からないことも多いので、現場にいて色々なことを察知しながら挑戦しつつお客様に分かり易く提供していきたいですね。

池田さん: 雑誌の感覚でいうと“媒体”なのですが、雑誌の場合は“発信”しかできなかったんですね。でもここはお客様の反応をダイレクトで受信することもできます。なので、発信と受信のどちらもできる場所ですね。

それに今の流行りを見て、自分的にはナシって思ったことが今の若い子達にはアリなんだとか。そういうフィードバックや情報を得られることで、ここに来てくださる人が喜んでくださる“次のモノ・コト”を予測しやすくなるんですよね。「こういう流れがあるから、次はこうしよう」って。だから、とても大事な場所です。

悩める若者が“頼りに行く場所”を作りたい

池田さん: 僕らはある程度、年を重ねたので、寺子屋じゃないすけど、若い子達が集まるハブとなって彼らをサポートしていける場所にしたいですね。僕は、昔の自分を思い出すと、洋服屋さんに行っては、おしゃれなお兄さんたちに洋服やいろんなこと教えてもらったり、相談していました。

そういうイメージで、例えばここなら「編集やアートのことを仕事にしたいんだけど、どうしたらいいのか」、「コーヒー屋さんになりたいけど、どうしたらいいか」を気軽に聞きに来られるような場所にしていきたいんです。それに、知識を持っている人に今の子達が“頼りに行く”という流れも、もうちょっと作れたらいいなと思いますね。もちろん今もやっているんですけど、もっともっと。

やはり下の世代が育っていかないと、いつまでたっても自分が現役でいないといけない。次の世代を任せられるような人を見つけて、僕が持っている知識を吸収してもらいつつ、さらにプラスアルファする。世の中も人も、いくらでも進化もするし発展もするので、ぜひそういうエネルギーのある人に来てほしいなと思います。

この続きは、Vol.5「クリエイティビティを磨く方法」で！次回は7月15日（金）公開です。どうぞお楽しみに！

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