世界基準のコーヒー&コーヒーカクテルの魅力(Vol.2)
UNLIMITED COFFEE BARのオーナー、松原大地さんと平井 麗奈さんにお話を伺っているプレミアムコラム。Vol.2の「世界基準のコーヒー&コーヒーカクテルの魅力」では洗練されたコーヒーへのこだわりと、今後より一層の注目が集まるコーヒーカクテルについてお伺いしました!
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- 世界大会のジャッジが作る、世界基準のコーヒー
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- 大井
- UNLIMITED COFFEE BARではスペシャルティコーヒーを出されているということですが、どのような基準でコーヒー豆を選んでいるのでしょうか?
- 平井さん
- コーヒーの味を確認する“カッピング”をして、私達の店に合うものを選んでいきます。その際に基準にしているのが、松原がワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)で体験してきている世界基準の味です。豆、抽出、アレンジドリンクなどWBCで得た様々な情報や体験をもとに生豆を選んでいます。
- 松原さん
- スペシャルティコーヒーでは酸味と甘さの2つが大事なんですが、味わいとして私達が一番大事にしているのは“甘さ”。大会のジャッジでも重視されるのは甘さで、それは絶対です。
というのも酸味や苦味は人によっては好みがありますが、甘さは性別や年齢に関わらず、受け入れられやすい。甘いと言っても、お砂糖を入れているような甘さではないので、コーヒーの甘さが強ければ強いほど、「ほぼ100%美味しいと感じやすい」と言えると思います。
昨今のスペシャルティコーヒーは酸味にフォーカスがあたりがちですが、コーヒーはもともと自然の甘さが含まれているので、それを最大限感じるコ-ヒーを選べば、ドリップでもエスプレッソでも、甘さが全面に出てきます。
たとえば柑橘系の酸味が強いコーヒーだったとしても甘さが伴っていれば、レモンではなくてグレープフループやオレンジのようなバランスのいいコーヒーになります。
- 大井
- 私は今日、エチオピアのシダモ(ウォッシュト)を頂いているのでが、ウォッシュトのコーヒーはナチュラルに比べて少し酸っぱいという印象があったんですね。でも、このシダモは全然酸っぱくなくて、どちらかというとバランスがすごくいいなと思いました。
- 平井さん
- そうなんですよ!
- 松原さん
- バランスが大事。
- 平井さん
- スペシャルティコーヒーに精通している人は酸味を好む人もいますが、まだよく知らないという人は酸味のあるコーヒーに慣れていなかったり、好きじゃない人も多いと思います。酸っぱいコーヒーを飲んで「私はスペシャルティコーヒーが苦手」と思われるのは残念です。私たちはコーヒーに詳しくない人でも「美味しいコーヒーだな」「確かに甘さを伴っているな」と思ってもらえるようなコーヒー体験を提供したいと考えています。
- 大井
- そうですよね。私も普段は甘いコーヒーやバランスのよいコーヒーを選ぶことが多いですね。
- 平井さん
- バランスのいいものや、ぬるくなっても最後まで美味しく飲めるものはいいですよね。甘さがあるコーヒーは、ぬるくなっても美味しいものが多いです。
- 大井
- 大井)ドリップのコーヒーを淹れる際の抽出器具として、UNLIMITED COFFEE BARではV60、エアロプレス、それからシルバートン※という器具もありますね。
※シルバートン:上のガラスの部分にお湯と粉を3~4分間浸し、そのあとカッピングと同じでブレイク(撹拌)。下のレバーをひねるとフィルターで濾されたクリーンなコーヒーができる。カッピングに近い味になるのが特徴。
- 平井さん
- はい。コーヒーも抽出器具も3種類ずつあるので、好きに組み合わせて楽しんでいただけます。
- バリスタのクリエイティビティが輝くコーヒーカクテル
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- 大井
- UNLIMITED COFFEE BARと言えば、コーヒーカクテルが有名ですよね。個人的にまず気になっているのはエスプレッソマティーニです。これはオリジナルのメニューですか?
- 松原さん
- オーストラリアや海外のカフェだと定番になりつつあるメニューですが、レシピは私達のオリジナルで、コーヒーと合うようにリキュールや甘さなどを調整しています。
- 平井さん
- 私たちがコーヒーカクテルを作る時に大事にしているのは“コーヒーをメインにする”ということ。バーテンダーの人に言わせると、コーヒーカクテルはアルコールがメインで、その中に少しコーヒーが入っているものと定義される方も多いと思うんですけど、私たちはコーヒーバーですので“コーヒーを魅力的に見せるためにアルコールと掛け合わせる”、という風に考えています。
- 大井
- なるほど。他にもコーヒーのカクテルの種類が多くありますが、オススメはありますか?
- 松原さん
- 水出しコーヒーにトニックウォーターやジンをいれたジントニックスタイルのコールドブリュージントニックが3種類あります。あとはこれから寒くなるので、アイリッシュコーヒーもいいですね。これはコーヒーカクテルの定番だと思いますが、ウィスキーの指定やコーヒーの指定があれば、そのチョイスで作らせて頂きますので、メニューは1つですがレシピは無限にできますね。
- 大井
- そういった個別のカスタムオーダーもプロのバリスタがいるからこそできることですよね。
- 松原さん
- もともと平井がバーで働いていたこともあるので、お酒を飲む人にコーヒーを飲んでもらったり、逆にコーヒーを飲む人にお酒を飲んでもらったりと、相乗効果でコーヒーを盛り上げていきたいんです。だから、コーヒーカクテルはうちのキーアイテムですね。
- 大井
- 私もお酒が好きなので、コーヒーカクテルはすごく興味があります。これからもっと増えていったらいいなと思っているのですが、UNLIMITED COFFEE BARが他の店より先行してこのタイミングでやろうと思われたのはなぜですか?
- 松原さん
- バリスタの世界大会と並んで、コーヒーカクテルの世界大会もあるんですね。私達も審査をさせて頂いているのですが、すごく奥が深い。アルコールは世界中に無限にあって、コーヒーも今は色々な産地のものがありますよね。だからバリスタひとりひとりのイマジネーションによって様々なコーヒーカクテルが作られてとても面白いんです。
- 大井
- そう考えると、コーヒーカクテルはかなりクリエイティブな飲み物ですね。
- 平井さん
- はい。エスプレッソもミルクビバレッジも非常に限られた食材で作るドリンクですが、コーヒーカクテルはアルコールが入ることで、バリエーションが無限大になります。だから作っていても楽しいんですよね。
それからコーヒーカクテルを作っている時が一番“コーヒーはフルーツである”ということを実感します。「このコーヒーはベリーの味がするから、それに合わせるとするとどのアルコールかな」と、コーヒーを1つのフルーツと捉えてレシピを作っています。
私たちはどんな形でもお客様に喜んでいただけて、コーヒーの魅力が伝わればいいと思っているので、コーヒーカクテルはその可能性を広げてくれるユニークなドリンクだと思いますし、世界でコーヒーカクテルと言えば「UNLIMITEDだね」って言われるくらいになれるよう、今後もメニューを増やして力を入れていきたいです。
- 大井
- なるほど。コーヒーは飲まないけどアルコールは飲むという人の興味をコーヒーに向ける、ひとつのきっかけにもなりそうですね。
- この続きは、Vol.3の「バリスタの育成に力を注ぐ理由 」で!次回は11月11日(金)公開です。どうぞお楽しみに!
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