未来に繋がる出会いを作る、地域密着型の珈琲店(Vol.1)
CafeSnap発案者の大井がお話をお伺いしているプレミアムコラム。第22回目にお迎えするのは地域の人々を繋ぎ、街づくりやモノづくりのきっかけを生み続けている東向島珈琲店のマスター、井奈波康貴さんです。
店内に入った瞬間から、心がホッとほぐれる優しい空気に満たされている東向島珈琲店の魅力に迫ります。
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井奈波 康貴さん
東向島珈琲店、マスター。ホテルマンとしてサービスを極めた後、ハワイ旅行中に出会い、通ったカフェでの体験をきっかけに自身も珈琲店を開くことを決断。高山珈琲でコーヒーと喫茶店の基礎を学び、2006年に曳舟に東向島珈琲店をオープン。2015年には、幼い頃から住む墨田エリアを盛り上げるため「食のまちめぐり推進事業実行委員会」の委員長も務めた。
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- 時間、空間、仲間。大切にしている3つの“間”
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- 大井
- 今日はどうぞよろしくお願いいたします。東向島珈琲店は2016年の11月にちょうど10周年を迎えられましたね。おめでとうございます。まずは、お店のコンセプトから教えていただけますか?
- 井奈波さん
- 「お客様の時間・空間・仲間が、当店を通じてより良くなりますように」というのがオープン前から持っていた大事なコンセプトです。よい時間を、心地よい空間で過ごすことで、友達ができたり、仕事に繋がったり……当店にある時間、空間、仲間という“3つの間”から、“未来に繋がるもの・こと”を提供できたらと考えています。
- 大井
- 東向島珈琲店では井奈波さんとお客様だけでなく、お客様同士が繋がって新しい企画が生まれたり、新しいビジネスが始まることも多々あるとおっしゃっていましたよね。
- 井奈波さん
- はい。当店での出会いをきっかけに「いま一緒に仕事しているよ」と言われると、嬉しいですね(笑)。“人と人を繋ぐ”のは、ちょっとしたことなんですけど、ここでの出会いがひとつの“点”になって、それが増えていくと“面”になって広がっていく。そうすると、それは社会にも繋がっていくんですよね。そういう社会を見るのは楽しいですし、自分自身の居心地もよくなります。
- “自分らしくいられる”場所が、出会いとアイデアを生み出す
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- 大井
- ここでの出会いをきっかけに、未来に繋がってく新しい企画やビジネスが生まれるのは、東向島珈琲店の大きな魅力ですよね。それは全ての店に起こるわけじゃないと思うんですが、どうして東向島珈琲店ではそういったことが起こるのだと思いますか?
- 井奈波さん
- お店を始めた頃、私にとってお店は自己表現の場でした。サードウェーブもない中で、誰を真似るわけでもなく、自分が必要だと感じたものを出して作った場所です。ある意味「下町にこんな場所があればいいな」と思ったことを実現して、それで「お客様が来てくれたらいいな」くらいに思っていたんですよね。
でも今は、たくさんのお客様にとって“自分でいられる場所”、そしてスタッフのみんなが“自分らしく働ける場所”であったらいいなと思っています。みんなが自分らしくいられると、会話が弾むし、アイデアも自由に出せる、それが新しい“点”が生まれる理由なのかもしれません。
- 大井
- なるほど! 自分が心から思った事や、やりたいと思った事でしか、物事は前に進んでいかないですもんね。ちなみにどうして、“自分らしくいられる場所になったらいいな”と思うようになったのでしょうか?
- 井奈波さん
- ……。
僕自身が常に自分らしくいたいから、だと思います。
- 井奈波さん
- いい悪いは別として、例えば「仕事になると自分らしくいられない」という人がいますよね。でも仕事は1日の大部分を占めていて、つまり人生の大半を占めているじゃないですか。だから仕事の時でもプライベートの時でも常に自分らしくいられる方がいいんじゃないかなと思うんです。
僕はシーンによって、自分自身のスイッチを切り替えることは不自然なことだと思っていますけど、それが分からない人が世の中にはたくさんいるし、不思議に思わない人もたくさんいる。僕はここで“自分らしくある”ということを社会に対して提案しているのかもしれないです。
- 大井
- 素晴らしいですね。私がカフェやカフェを作る人が大好きな理由のひとつは、“自分らしく生きる”ということを大事にしていて、そうありたいと思う人達の良いお手本だと感じているからです。カフェに行く人が増えることで、「もっと自分らしくありたい」と思ってもらえる人が増えてほしいと、すごく思っています。
- 大井
- お店のメニューや看板、HPには「Keep in touch」という言葉が書かれていますよね。それも気になったのですが、どうしてこの言葉を選ばれたのでしょうか?
- 井奈波さん
- Keep in touchは「今後ともよろしくお願いします」という意味です。この言葉に出会ったときにすごく自分に響いて。カフェは一期一会的なものがあるじゃないですか。でもこの言葉にはそのときで終わりなのではなく、「その先も」という気持ちが入っていますよね。それにKeep in touchには「ありがとう」の気持ちも込められている気がするんです。だから僕の名刺を含めていろんなところに載せています (笑)。気に入っている言葉ですね。
- 大井
- ここでの出会いが未来に繋がっていく。まさに東向島珈琲店を表したような言葉ですね。
- この続きは、Vol.2の「墨田区が認める人気スイーツの秘密」で!次回の公開は12月2日(金)です!どうぞお楽しみに!
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