池袋の“新たな魅力”を映し出す、コーヒー専門店(Vol.1)
CafeSnap発案者の大井がお話をお伺いしているプレミアムコラム。第25回目にお迎えするのは2016年、5200軒以上掲載されているCafeSnapの中で、お気に入りカフェランキング1位に輝いたCOFFEE VALLEYの小池司さんです。
池袋初のスペシャルティコーヒー専門店としてオープンして2年、小池さんにたくさんの人々に愛される店となったCOFFEE VALLEYの魅力や池袋とコーヒーの関係を伺いました!
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小池司さん
COFFEE VALLEYオーナー、焙煎士。イギリス留学中に飲んだエスプレッソに衝撃を受けコーヒーの世界へ。ラテアートを独学で学びながら現地のカフェで働き、帰国後はラテアート世界チャンピオンを輩出したコーヒー専門店に就職。2014年11月にCOFFEE VALLEYをオープン。エスプレッソドリンクを中心とした自家焙煎のコーヒーを提供している。
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- コーヒー店を開いて知った、池袋の意外な一面
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- 大井
- 今日はよろしくお願いします。まずはCOFFEE VALLEYの名前の由来から教えていただけますか?
- 小池さん
- VALLEYは“谷”という意味なんですが、もともと池袋は、池にも関連している“水”が集まる窪地だったそうなんですね。窪地から連想した“谷”は上質なコーヒーが作られる場所でもあるということで、COFFEE VALLEYという名前を付けました。
- 大井
- COFFEE VALLEYは小池さんから見てどのようなお店でしょうか?
- 小池さん
- とにかく“幅広い店”ですね。コーヒーは浅煎りから深煎りまであって、お客様は年齢層も男女比も偏りがなく、様々な方に来ていただいています。
- 大井
- お店を構える前から、“幅広いお客様が来る店を作りたい”と思われていたんですか?
- 小池さん
- いや、全然(笑)池袋ということもあって、オープン当初はサラリーマンが多いだろうなとか、池袋らしい感じになるんだろうなと思っていたんですけど、ふたを開けてみたら全然そんなことなくて、本当にいろんな方が来てくださっている印象です。開店前に考えていたターゲットとは全く違いました。
- 大井
- それはいつ頃気づかれたんですか?
- 小池さん
- 一年目には「なんかおかしいぞ」って思いましたね (笑)
- 大井
- (笑)
- 小池さん
- おかしいわけじゃないんですけど、嬉しかったんですね。もともと池袋はガチャガチャしているイメージがあるじゃないですか。それはその通りなんですが、そのガチャガチャの中には静かな方も、若い方も、目上の方も、様々な方がいらっしゃって、いい意味でガチャガチャした街でした。「池袋はこんな所だったんだ」って再発見できたような気がしました。
- 大井
- 混沌としているというよりかは、多様性のある街だったんですね。
- 池袋初のスペシャルティコーヒー専門店としてオープン
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- 大井
- COFFEE VALLEYがオープンした時、“池袋初のスペシャルティコーヒー店”としてメディアで紹介されることが多かったと思います。池袋とスペシャルティコーヒーの相性についてはどう考えていましたか?
- 小池さん
- 店をオープンする前、僕の周りの人はすごく心配していました。
- 大井
- それはやっぱり街のイメージとスペシャルティコーヒーが合わないんじゃないか、ということですか?
- 小池さん
- 池袋に今までスペシャルティコーヒーの店がなかったので、「ないのはないなりの理由があるんじゃないか」と思っていたようです。でも、僕はあんまり気にしていなかったですね。コーヒー屋がないからこそいいと思いましたし、この店がある池袋の東側はサンシャイン通りや西口の雰囲気とは少し違って、池袋の中でも落ち着いているんですね。少し歩くと個人店も多いですし、だからこそすごく面白い場所だなと思っていました。
- 池袋で“目的地”となる場所を目指して
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- 大井
- そんな池袋でスペシャルティコーヒーを始めて、2016年のCafeSnapお気に入りカフェランキングで1位を受賞されたようにCOFFEE VALLEYは池袋を代表するコーヒー店になりました。スペシャルティコーヒーが“受け入れられた”という印象はありますか?
- 小池さん
- う~ん……、どうなんですかね。難しいところですね。スペシャルティコーヒーだからなのか、スペシャルティコーヒーとまでは認知されていないけれど、その手前にある“美味しいコーヒー”として認知していただいたのか……。分からないですけど、コーヒーを目当てにお店に来てくれる人は二年目からじわじわと多くなってきたかなと思います。
- 大井
- 先ほど、お店入口で看板を見たのですが、COFFEE VALLEYのロゴマークは登山をした時に山頂に指す旗のように見えました。
- 小池さん
- CとVをデザインしていて、マップのピンのようなイメージで作っています。「目的地にしてもらえるようなお店になったらいいな」と。
- 大井
- 色々な人がいて、多彩な選択肢がある街で “目的地なるようなお店に”ということですね。
- コーヒーの好みは人によって違う、だからこそ自分好みを見つけてほしい
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- 大井
- 先ほど、コーヒーは“浅煎りから深煎りまで”とおっしゃられていましたが、具体的にどのようなコーヒーを提供されていますか?
- 小池さん
- 今扱っているのは、深煎りのコロンビア、中煎りのルワンダ、浅煎りのエチオピアやケニアなど、浅煎りから深煎りまで常に5~7種類を揃えています。
浅煎りの豆がなくなったら浅煎りで焙煎したときに美味しい豆を足すというように、豆の選定は焙煎具合から決めることが多いですね。それぞれの豆でテストをしながら、素材が持つ味わいを引き出す “一番いいところ” を目指して焙煎をするようにしています。
- 大井
- 焙煎士さんによってコーヒーを作る時に重視しているポイントが違うと思うのですが、小池さんは焙煎するときに何を一番重視されていますか。
- 小池さん
- 一番は“甘さ”、その上で“甘さと酸味のバランス”を大事にしています。そのバランスが何かというとすごく難しいんですけど、とにかく酸味だけが強いとただ酸っぱいコーヒーになりやすいので、甘さがしっかり伴うものにしたいと思っていて、甘さと酸味のバランスをすごく見ています。
- 大井
- 確かに、先日いただいたコーヒーは深煎りのコロンビアから、浅煎りのエチオピアまで、産地がもつ味わいとともに甘さをすごく感じて美味しかったです。常時、5~7種類という幅広いラインアップで用意されているのはなぜでしょうか?
- 小池さん
- 僕はチェーン店も含めて色々なコーヒー屋さん行って、お客様が普段どんなコーヒーを飲んでいるのか体験するようにしているのですが、よく、自分も含めてお客様の好みのコーヒーは人それぞれ「全然違うな」と思うんです。
コーヒーはすごく幅が広いものです。だからこそCOFFEE VALLEYではラインアップを多くして色々なコーヒーを提案し、お客様の“自分好み”を見つけるきっかけになれたらと思っています。
- この続きは、Vol.2の「看板メニュー“3PEAKS”と“トースト”の誕生秘話」(https://cafesnap.me/talk/175)で!次回の公開は2月10日(金)です。どうぞお楽しみに!
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