看板メニュー“3PEAKS”と“トースト”の誕生秘話(Vol.2)
池袋、COFFEE VALLEYの小池さんにお話を伺っているプレミアムコラム、Vol.2は看板メニューの3PEAKSとトーストの誕生秘話について。
エスプレッソ、マキアート、ドリップコーヒーの飲み比べができる“3PEAKS”。お客様によっては様々な反応が返ってくるという3PEAKSを始めたきっかけ、そして続けている理由、そこには小池さんのコーヒーに対する静かな情熱が込められていました。
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- 3種のコーヒーを飲み比べできる3PEAKS
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- 大井
- COFFEE VALLEYでは同じ豆を3種の方法で飲み比べできる3PEAKS(スリーピークス)が人気ですよね。3PEAKSはどのように生まれたのでしょうか?
- 小池さん
- もともと「コーヒー屋さんに行って何を飲む?」と聞かれたら、どれくらいの人が答えられるんだろう、ところから始まったんですね。「これが飲みたい」と言える人はまだ多くないので、コーヒー屋さんとしてのおすすめであり目玉商品を作りたいと考えていました。
それから、エスプレッソ、マキアート(エスプレッソとミルクが半々のドリンク)、そしてドリップコーヒーという3種類を飲み比べてもらうことで、同じ豆を使っていても「こんなに味が違うんだ」ということも伝えたかったんですね。これはスペシャルティコーヒーだからこそできることです。
- 大井
- どうしてそのようなことを伝えたいと思ったんですか?
- 小池さん
- 今はドリップコーヒーをメインとしている店が多いですが、うちはエスプレッソが中心。まだエスプレッソのことを飲んだことがない人も多いし、エスプレッソがどんなものかを知ってほしいと思ったからです。
- “好き”“嫌い”が分かれば、その先に繋がっていく
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- 大井
- 実際、3PEAKSを出されてみて、お客様の反応はどうでしたか?
- 小池さん
- 思った通りでしたね(笑)「苦っ!」と言われてエスプレッソだけ残って戻ってくることもありますし、マキアートは「キャラメルマキアートみたいに甘いものかと思った」と言われることもありました。
- 大井
- そうなんですね。それでも今もメニューとして続けていますよね。それはどうしてですか?
- 小池さん
- もう意地ですよね(笑)。というのは冗談で、その反応を見て「やっぱりエスプレッソを知らない人がいる」と実感したんです。
僕は3PEAKSに対してどんな反応をされてもいいと思っていて、その経験が勉強になるじゃないですけど、エスプレッソが苦手だったらもうエスプレッソを頼まなければいいし、逆に好きだと思ったら、別の店でもエスプレッソを飲んでみようかなという気になります。もしマキアートが気に入ったら次はカプチーノ、それにラテもある。ドリップが気に入ったら次は違う豆で飲んでみようかなと発展させていけるじゃないですか。
3PEAKSは色々な種類のコーヒーを知るための“根源”みたいなもので、僕は好きも嫌いも含めて、コーヒーの幅を知るきっかけを作りたかったんです。3PEAKSは“先に繋がるメニュー”だと思うので続けています。
- 大井
- 色々な反応はあれど、コーヒーに興味をもつきっかけを広く提案されているというのは素晴らしいことですね。人の好みが違うことや反応を寛容に受け止める力がないと出せないメニューだと思います。
- 大井
- ちなみに、エスプレッソを中心としたメニューを提案されている中で、2周年のお祝いの時にはエスプレッソマティーニを出されていましたよね?
- 小池さん
- はい。バーテンダーの植松大記さんとの出会いがあり、ケニアを使ったエスプレッソマティーニを提案してもらいました。浅煎りのケニアの酸味が、リキュールとうまくマッチして美味しかったですね。
- 大井
- コーヒーカクテルは、またコーヒーの楽しみの幅を広げてくれますよね。これからさらに注目が集まっていくのかなと個人的に思っていますが、今後コーヒーカクテルのようなアレンジドリンクを作る予定はありますか?
- 小池さん
- ベーシックなラインアップを大事にしながら、機会があれば面白いことに挑戦していきたいですね。
- 喫茶店文化にインスパイアされたシンプルなトースト
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- 大井
- フードで言えばトーストが人気ですね。こちらについても教えていただけますか?
- 小池さん
- フードはパーラー江古田さんにオリジナルで作っていただいた食パンをメインに、トーストとサンドイッチをご用意しています
- 大井
- メニューを絞っているのはどうしてですか?
- 小池さん
- なるべくシンプルであることを意識しているのと、コンセプト……とまではいかないですけれど、“持ち帰りのできる喫茶店”も目指しているからです。喫茶店風のメニューは個人的にカッコいいなと思っているし、こだわりの詰まったパーラー江古田さんのパンを使わせてもらっているので、トーストとサンドイッチは僕の理想に近い形でだせていますね。
- 大井
- “持ち帰りのできる喫茶店”というのは面白いキーワードですね。小池さんは喫茶店がお好きなんですか?
- 小池さん
- 喫茶店にすごく行くというわけではないんですが、“昔からあるものが好き”なんだと思います。新しいものよりは昔からあるもの、比較的保守的なのかな (笑)そういう意味でコーヒーも、トレンドや旬のメニューを作るより、昔からあるメニューを継承しつつ、なにか少し発展させるメニューを心がけています。
- この続きは、Vol.3の「ロンドンで出会った、衝撃的なエスプレッソ」(https://cafesnap.me/talk/176)で!次回の公開は2月14日(火)です。どうぞお楽しみに!
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