コーヒー業界と丸山珈琲のこれから(Vol.5)
CafeSnapのプレミアムコラム、最終回のVol.5は丸山さんに聞いたコーヒー業界と丸山珈琲のこれから。また最後には、プレミアムコラムで恒例の「あなたにとってカフェとは……?」を丸山さんに伺いました!
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- 大井
- この数年、日本ではコーヒーのブームが続いていますが、昨今の状況はどのように見ていらっしゃいますか。
- 丸山さん
- コーヒーを飲む人は昔と比べて増えていますよね。幸いなことに“コーヒーは体にいい” という報告やニュースが多いので、それも追い風になっていると思います。
ただお店にとってはこれから厳しい時期がやってくると予想しています。特に東京はお店が多くなりすぎてしまった。つまり、淘汰が起きやすくなっていると思います。
どんなふうに淘汰されるかを考えたときに思うのは、コーヒーの品質はもちろんですが、やっぱりサービス。当たり前のサービスがきちんとできていることが大事なので、自分の店も含めてそこは心がけていく必要があると考えています。
- 大井
- 丸山珈琲の今後の目標を教えていただけますか?
- 丸山さん
- 今は日本にコーヒーのマーケットがありますが、現在の日本社会を見ると、これから日本の人口は減っていくと予想できますし、そうすればマーケットが縮小していくのは間違いありません。
そんな中で会社を成長させることを考えると、“海外”を想定せざるをえない状況だと思います。今はネットがあって世界中が繋がっています。YouTubeにあげた動画が海外でヒットするなんてこともあるので、世界を視野に入れていくことは会社として考えています。
- まずはハウスブレンドから自分好みのコーヒーを探して
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- 大井
- コーヒーの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思ったとき、例えばコーヒーが苦手な人にはどのようなアプローチするのがよいと思いますか?
- 丸山さん
- コーヒーが苦手な人は、苦味が嫌とか酸味が苦手とか、それぞれ理由があると思います。僕は無理にオススメすることはしませんが、ただ本当に素晴らしいコーヒーは後味が非常にきれいで華やかなので、まずはそういったコーヒーを紹介するのがいいのではないでしょうか。
飲みやすいドリップやフレンチプレスで淹れたコーヒーで、フレーバーとしては極端に酸味が強いものではなく、バランスがとれた甘くてきれいなコーヒーを試してもらうと「私でも飲めるコーヒーがある」と、そこから好きになってもらえる可能性があるかなと思います。
- 大井
- 今、お店に出されているコーヒーの中だと、どのコーヒーをオススメされますか?
- 丸山さん
- 私は最初にブレンドをおすすめするようにしています。酸味が好きでなければ深煎りの“丸山珈琲ブレンド”、中煎りのものもあります。
というのも僕は、ブレンドをよくお寿司屋さんでいうところの“お決まり”と表現するんです。例えば、僕が初めてのお寿司屋さんに行くときは、だいたい “お決まり”の「竹」や「松」をまず頼んで食べてみる。その上で雰囲気も含めて気に入ったら、次はちゃんと予約してカウンターに座って注文します。その時に自分の好き嫌いを色々と伝えるんです。
それと同じで、だいたいどのコーヒー店も多くの方に気に入って頂ける味でハウスブレンドを用意しているので、まずはそれを飲んでみる。もしそれが気に入ったらもう一度行って「こないだ飲んだブレンドより、もう少し濃いコーヒーを」とか「今回は酸味のあるコーヒーを試してみたい」とか、「シングルオリジンを飲んでみたい」と伝えると、お店の人は相談にのってくれると思います。
スペシャルティコーヒーは自分で勉強するのももちろんいいと思いますが、自分が美味しいと思うコーヒー店に行って、その店の店主やバリスタに教えてもらうのが、コーヒーの世界を広げる一番の近道だと思います。
- 辛かったとき、駆け込むのは喫茶店だった
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- 大井
- 最後に、CafeSnapではお話を伺っている全ての方に「あなたにとってのカフェとは?」をお聞きしています。まず、丸山さんはカフェというとどんなイメージがわきますか?
- 丸山さん
- 僕の好きなカフェはカレーライスとオムライスが食べられて、ゴルゴ30が全巻揃っていて、他にもマンガがたくさん置いてあって、ゆっくりできるお店。置いてあるのは必ずしもコーヒーでなくてもいいです。
- 大井
- どうしてそう思われたんですか?
- 丸山さん
- 僕が最初に好きになった喫茶店がそういうお店だったんです。
- 大井
- なぜそのお店が好きだったのでしょうか?
- 丸山さん
- 僕がその喫茶店を好きになったのは……昔、東京にいた時は営業マンとして色々なところに飛び込み営業をしていたんですよね。そうすると客先で怒られたりして、若者なりに追い込まれていたわけです。
そんな時には、だいたいドトールさんや喫茶店に入って休憩をしていました。「この新聞を読み終わったら店を出よう」と思いながら、読売を読み、朝日を読み、日経を読み、スポニチを読み、朝のモーニングセットを二回頼む…… みたいな(笑)。それで、なんとか次の営業先に行く……。喫茶店は僕がいつも逃げ込む場所だったんです。
マンガがたくさんある喫茶店というのは長野県に引っ越してからでしたが、その店はマスターと奥様がいて、適度な距離感でお話ができる場所でした。僕にとってカフェは、ホッとするところであり、逃げるところ、そういう場所だと思います。
- 大井
- わかりました。今日は貴重なお話をありがとうございました!
- 丸山さん
- ありがとうございました。
- 次回のCafeSnapプレミアムコラムはバリスタは全員女性のLATTEST、前田初さんが登場!初回の公開は3月24日(金)です!どうぞお楽しみに!
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