女性バリスタならではの、コーヒーとおもてなし(Vol.3)
LATTEST OMOTESANDO Espresso Barの前田さんにお話を伺っているプレミアムコラム、Vol.3は女性バリスタが作るコーヒーの魅力やおもてなし、そして個性豊かなチームメンバーと築いてきた“強いチームワーク”について伺いました。
さらに、4月22日(土)23日(日)に開催されるCOFFEE COLLECTIONにおいて、新たな出店ロースターを募集したDISCOVER企画。見事、優勝を勝ちとった前田さんに企画エントリーの舞台裏もお聞きしました!
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- 女性バリスタが作るコーヒーの魅力
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- 大井
- LATTESTは “女性バリスタだけの店”というコンセプトを掲げていますが、前田さんは働かれていて、LATTESTはどんなところが他店と違うと思いますか?
- 前田さん
- お客様から言っていただくこともあるんですが、同じ豆、同じ方法でコーヒーを作ったとしても、「女性が作るコーヒーと男性が作るコーヒーでは味わいが違う」と思うんですね。女性が作るコーヒーの方が優しくて柔らかい印象を持っていただきやすいように感じています。
そういう意味で私自身、女性にしかできないサービスや気遣い、おもてなしがあると思うので、一緒に働いているチームのみんなともそれをもっと探していこうと話しています。
- 大井
- 前田さんがお店に立たれている時、なにか心がけていることはありますか?
- 前田さん
- サービスの面では、まずは“お客様に気づくこと”。例えば、何かしていても常に入り口を気にかけ、お客様がラテストに入られる時とお帰りの際にはご挨拶を欠かさないようにしています。
それからお客様のオーダーをうける際には、その方の好みを引き出せるよう相手に興味を持つこと。そしてリラックスできるような会話を心がけています。お客様の「素敵だな」と思った事はどんどんお伝えしていますね。
- 大井
- コーヒーを作る上ではいかがですか?
- 前田さん
- 全員のお客様に完璧にすることはできないのですが、よく来てくださるお客様には、なるべく前回書いたラテアートとは被らないようにしています。
味に関してだと、私がラテやカプチーノを作る時はミルクが甘くなるように心がけていますね。よく「エスプレッソの方が大事なのか、ミルクの方が大事なのか」という話になったとき、もちろんどちらも大事なんですが、私はどちらかと聞かれたらミルクだと考えているんですね。ラテの印象はミルクで決まると思うので、ミルクが甘くなるようにスチーミングをしています。
- 大井
- ミルクが甘いと、コーヒーに慣れていない人でも飲みやすくなりますよね。
- 何気ない会話と助け合いの中で築かれる、強いチームワーク
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- 大井
- 逆に女性だけの店ということで、困ることはありませんか? 例えば、女性だけのチームや組織は大変な場合もありますよね。
- 前田さん
- うちのスタッフはお客様からも言われるんですが、みんなかなり個性的なんですよ。(笑)サバサバしている性格の人が多いからか、はっきり言い合えるし、仲はすごくいいんです。普段から自分がされて嬉しかったサービス、そうでなかったサービス、お客様との出来事なども、事務的に報告するのではなく自然と話せるチームなので、それにとても助けられています。
困ることと言えば……女性だけでやっていると、エスプレッソマシーンが壊れたりしても自分たちで対処しなければいけないですし、天井についている電球の付け替えをとっても一苦労です。それから焙煎した豆を持ち運ぶのは重たいし……と、大変なことは多いですけれど、だからこそ、強いチームワークが築けているんだと思います。
それから……コーヒー業界は男性バリスタが圧倒的に多いので、わりと私達も男性化してきちゃうんですよね!(笑)。
- 大井
- そうですか!(笑)でも分かる気がします!たくましくて、同じ女性としてカッコいいと思います。
- 前田さん
- そうだったら嬉しいですね。(笑)
- “負けず嫌い” が大きな原動力
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- 大井
- 今のコーヒー業界を見ると、バリスタも焙煎士も圧倒的に男性が多いですよね。それについて、何か思われることはありますか?
- 前田さん
- うーん……、逆に燃えますね!(笑)やってやろうと思います。ほんとに。それは私達の大きな原動力にもなっていると思うんです。私もLATTESTのみんなも、とくかく負けず嫌いなんですよ。
- 大井
- それは4月に開催されるCOFFEE COLLECTION DISCOVERの優勝にも繋がっていますよね。DISCOVER企画で優勝した豆はどのようなコーヒー豆でしょうか?
※COFFEE COLLECTION DISCOVER とは……
4月22日(土)23日(日)に開催されるCOFFEE COLLECTION (http://coffeecollection.tokyo/)において、国内外から新たな出店ロースターを募集した企画。27店舗が自家焙煎の豆でエントリーし、厳選なるブラインドカッピング審査を経て、出店店舗5店を選出。前田さんが焙煎したLATTESTは優勝に輝き、22日(土)23日(日)に出店する。
- 前田さん
- エチオピア アリーチャ ナチュラルです。イチゴやマスカット、ローズヒップのような、甘くて華やか、そしてジューシーな味わいで余韻を長く感じていただけます。透明感もあるので、コーヒーが苦手な人にでも紅茶のように飲みやすいコーヒーだと思います。
- チーム力で勝ち取ったCOFFEE COLLECTION DISCOVERの優勝
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- 前田さん
- 実はちょっとした裏話があって……、カッピング審査の日から逆算して、一週間前に豆を焙煎したのですが、エントリーさせる予定だった豆をうっかり焼き過ぎてしまったんです。それで最後までその豆を出すか、もしくはもう一週前に焼いた豆を出すかで悩んでいました。
私は豆の鮮度を考えると1週間前のものがよいと思ったんですが、少しだけ焼き過ぎてしまったことは気になっていたので、LATTESTのみんなで最後にもう一度カッピングをしました。その時に、みんなが2週間前の豆のほうが美味しいと言ってくれたので、その言葉を信じて、ギリギリに2週間前に焙煎した豆を提出することを決めました。2週間の間にエイジングされて、豆が持つ味わいがしっかりでたので、審査の際にそこを評価していただけて本当にラッキーでした。
- 大井
- チームのみなさんのアドバイスが優勝に導いてくれたんですね。
- 前田さん
- はい。私ひとりだったら、一週間前に焼いた豆を提出していたと思います。でも、LATTESTのみんなは本当にコーヒーが大好きで、ラテアートはもちろんですが、それを超えてコーヒーを学びたいという情熱があるんですね。だからアドバイスをくれたチームのみんなにすごく感謝しています。
- 大井
- 素晴らしい仲間ですね!
- この続きはVol.4の「COFFEE COLLECTION DISCOVERへの挑戦」で!次回の公開は4月4日(火)です。どうぞお楽しみに!
※お知らせ※
プレミアムコラムは2017年4月より毎週火曜日のみの更新となります。
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