小さな幸せを積み上げた15年(Vol.4)
CafeCafeの堀利弘さんと美佳さんご夫妻にお話を伺っている対談Vol.4です。15年前のオープン以来、カフェ業界と人が刻々と変化していく中で、おふたりがどのようにカフェを続けてこられたのかを伺いました。
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- 大井
- この夏15周年を迎えられましたが、この15年の中で嬉しかったことや、特に印象に残っていることはありますか?
- 美佳さん
- 想像つきませんでしたね、15年前にこうなるとは。嬉しいことはいっぱいあり過ぎるかもしれません。
- 利弘さん
- 今年は特に沢山あったね。15周年だからなのかなぁ……。昨日もわざわざ青森から顔出してくれた子がいて。遠くから懐かしいお客様が来てくれるんです。
- 美佳さん
- 大学生のときに来てくれていた3人組の男の子達もいるよね。背が高くて、ごっつい三人で、今は青森や福島で、みんな離れているんですけど、誰かの出張で東京に来ると、ここに集まってくれるんです。正直、とてもここに来る雰囲気の男の子達ではないんですけどね。(笑)でも集まって話している姿は大学生のときと変わらなくて。なんかね、そういうのが嬉しくなるよね。
- 利弘さん
- うん。嬉しいことっていっぱいあってね。毎日毎日、何かしら、嬉しいんですよ。(笑)
- 美佳さん
- そうそうそう。色々なことがあったけど「あのとき大変だったね」というのはあまり覚えてなくて。その後で「あの人が手伝ってくれたよね」っていうそういう喜びを覚えてますね。
- 美佳さん
- もちろん、不安になるときもあるんですけどね。「大丈夫かな、この先」と。
- 大井
- そうなんですか?
- 利弘さん
- そうです。一年一年積み重ねていますけど、不安は毎年で。15回も(笑)
- 美佳さん
- 安泰なんて思っていられなくて(笑)
- 大井
- その不安はどういう風に乗り越えたり、解消するんですか?
- 利弘さん
- 辛いことばかりじゃなくて、毎日「楽しいな、嬉しいな」と思えることがあるので、毎日毎日クリアできています。もちろん、不安はありますけどね。でも、いいことがあると前を向けるんです。
- 美佳さん
- そうそう。「なんとかなるかな」みたいな(笑)
- 利弘さん
- そう思ってやっていかないと、うまくやっていけないだろうなって思いますし。「楽しいことがあるんじゃないか」って続けて15年やってきたという感じです。
- 大井
- 毎日、最終的にポジティブな気持ちになって、前を向こうと思えるのは素晴らしいことですね。それをおふたりともできて一緒に進めるっていうのは、心強いパートナーですよね。
- 利弘さん
- そうですね。ふたりでやれるのはいいのかもしれないね。何かあったとしても、一日終わって、ちょっとでもいいことがあると、「明日はがんばろうか。明日は大丈夫だよ」って言えるので。
- 大井
- そういうポジティブさが、きっとお客さまにも伝わりますよね。
- 美佳さん
- 能天気なんですよ(笑)
- 大井
- すごくいいと思います! 大好きです。そういう人と一緒にいたいですよね! それこそ、私はカフェに行くときは、弱っていたり、ボーっとしたかったり、安心したいという気持ちがあるので「大丈夫だよ」っていう空気をつくって頂けると、またすごく行きたくなりますね。
- 美佳さん
- 東京にいるとやっぱり、みんなすごく頑張らなきゃいけないとか、成果を上げなきゃいけないとか、結構色々あると思うんですよ。でも、せめてこのテーブルの上だけは、気分を変えて“ちょっと幸せになるといいな”って。
だからお料理や飲み物をお出しするとき、言葉にしなかったとしても「美味しくお茶を飲んでいただけますように」とか、元気ない人には「ちょっとでも元気がでますように」って心の中で思っています。
- 利弘さん
- そんなことしかできないけど。
- 美佳さん
- そうそう。私達ができることって、ほんとちょっとしたことだけですけどね。それでも、その人の生活にそうやって少しでも関われたら、すごく嬉しいですよね。
- 利弘さん
- そうそう。ここに入って来た時は、とても険しい顔だったけど、帰るときにちょっとにこやかになっていると「あぁよかったなぁ」って。
- 美佳さん
- そうだね、良かったなと思うね。
- この続きはVol.5「30年続くカフェを目指して」で! お客様から次の目標は「30年」といわれているというおふたり。今後の目標や、おふたりにとってのカフェとは? を伺いました。次回更新は、11月20日(金) です。お楽しみに!
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