0.00001%の夢を実現させる方法(Vol.2)
海外生活を始めて鈴木さんが出会ったコーヒー。より深く学ぶため、舞台はデンマークへと移ります。全く経験がない中で、バリスタとして雇ってもらうまでには、本当に大変な苦労をされたそう。それでも辞めなった理由、そしてその時、鈴木さんが思っていたこととは?
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- 大井
- それで海外に出ちゃうって、すごい勇気ですよね。迷わなかったですか?
- 鈴木氏
- 迷いは全くなかったですね。すごい極端な話、”人生やりたいことをどれだけやるか”かなと思っていて。楽しいか、楽しくないか、やりたいか、やりたくないか。やりたいのにやらずに終わっちゃうのが一番嫌ですね。
やって後悔する人って、何やっても後悔すると思うんですよ。じゃあ、後悔しないようにやればいいだろうって。僕は常にそう思いながらやっています。
- 大井
- そこに集中するので、全力を注ぎ込めますよね。
- 鈴木氏
- そうですね。白か黒かしか考えない性格なので、白にしたければ白にすれば良い。その為に何をやらなければいけないか、常に考えればいいと思っています。
- 大井
- 何かにチャレンジすることは、そんなに怖くない?
- 鈴木氏
- 死なないですからね。死ななければなんとでもなるかなって。常に極端です。(笑)
- 大井
- (笑)確かにそうですね。最初マルタに住み始めて、その後デンマークに移住されたのはなぜですか?
- 鈴木氏
- もともとカフェという空間で過ごすのが好きだったんですよね。マルタにいたときも、地中海に浮かぶ島なので、海を見ながらコーヒーを飲んでいて。これって素敵だなぁっ思っていました。そしたらコーヒーにも興味を持ち始めて、もう少し追求したいなと。
やるなら最高のところでやらないと、自分の為にならないし、得るものも少ないと思って、最大限に自分が得られる方法を考えたときに、出てきたのがデンマークだったんです。デンマークは世界一、バリスタチャンピオンを輩出している国だったので。
それに……オーストラリアや、カナダや、アメリカはもう日本人の方が行ってらっしゃったので。僕は二番目とか大嫌いなんですよ。
オンリーワンだったら、ナンバーワンじゃないですか。
前例がないことをやっていきたいっていうのがあって、デンマークで日本人がバリスタやっているっていう情報もなかったので、それだったらデンマークが一番いいんじゃないかと思って選びました。
- 大井
- オンリーワンを重視されるのは、やっぱり今までの公務員家族の中で築いた“もっと自分らしく”っていう気持ちがあってですか?
- 鈴木氏
- そうですね。もっと自分らしく。たぶんそうですね。そうさせていた部分が結構あると思います。
- 大井
- デンマークに行かれて、どのように働く場所を見つけたんですか?
- 鈴木氏
- まず、3ヶ月間、期間を決めて、コペンハーゲン中のカフェをほぼ全て周りました。でも全く雇ってもらえなくて。正直「無理かな」ってなりましたね。
でも……デンマークまできて、諦めるわけにはいかないですよね。本当に、本当にもう無理だろうとずっと思っていましたけど。
でも……お店があるし、働いている人間もいるんだから、0ではないとは思って。0.00001%の確率でも可能性があるなら、最後までトライしないといけないなと思って探し続けました。あの時は本当にしんどかったです。
- 大井
- 何が一番しんどかったですか?
- 鈴木氏
- いやー……デンマークって、もう寒くて!暗いんですよ! そんな中、断られ続けて……。断られたお店に再度お願いに行くのがまたしんどいんですよ。「また来たかのか」って……。でも働きたいから行かないといけないし、行かないと聞いてもらえないし、もう周るだけ周ったらこれ以上新たに行くところもないし……どうしよう……もう一回行くしかない、って。(笑)
- 大井
- 二回目に行くと、どういう反応されるんですか?
- 鈴木氏
- 「何?」って感じですよ。(笑)話を切り出すにも切り出せないですよね。コーヒーを飲みに来たフリから始まって、どのタイミングでどう話そうかとか。チャンスを伺うためにお店の周りを10回くらい周ったりもして(笑)それは、ものすごくしんどかったです。
- 大井
- それでも、辛くても頑張れたのは?
- 鈴木氏
- とにかく「絶対やる」って決めていたので。やることしか正直、頭の中では考えてなかったというのもありますね。あのときは、上手くいく方法を考えようと常に思っていました。まぁ、そう思うしかなかったというのもあるんですけど。あと、公言しちゃっていたんで。(笑)なんていうか……
“言っちゃうこと”ってすごく重要ですよね。
夢とかやりたいことって、言っちゃうことによって、やらなければいけない状況になるので。人間って甘いじゃないですか。大きなこと言っちゃうと自分が追い込まれるから。まぁ、ドMですけどね(笑)できてもいないのにやるって言った方が、達成できる確率は上がるんじゃないかなって僕は思います。言わないのは逃げだと思っているので。あくまでも僕の考え方ですけど。
- 大井
- 「だめだろう」って思いながら、同時にどこかで、「上手くいくだろう」って思っていたところとかはありますか。信じていたというか。
- 鈴木氏
- はい。あの……イケると思ってました。(笑)
- 大井
- (笑) なにか策はあったんですか?
- 鈴木氏
- 例えば、デンマークに、The Coffee Collectiveっていうコーヒー屋さんがあるんですけど、そこはたまにカジュアルなラテアート大会を開催していて。僕はコーヒー屋で働いたこともない時に出場したりしていました(笑)マシンを触ったこともないので全部こぼしちゃって……できる訳がないんですよね!「変な日本人がきて、何してんだ」って大爆笑でしたけど(笑)
- 大井
- 何の経験もないのにラテアート大会に出るというのも、それはそれですごいですね。(笑)
- 鈴木氏
- いやーもうとにかく人との繋がりを作りたくて。自分で飛び込んでいかないといけないと思っていました。自分という存在をどうにかして知ってもらいたい。繋がりたい。コーヒーを学べる環境に身をおきたい。その想いだけでした。どこにチャンスがあるかわからないので、ほんと必死だったんだと思います。怖いとかそういうの、考えている余裕がなかったですね。
- 大井
- チャンスをつかむ為に、キーとなるのは”人”だと思っていました?
- 鈴木氏
- そうですね。何かの本で読んだんですけど、「どんなにいい商品でも、嫌いな人からは絶対買いたくない」という、なんかそういうのがあって。
あと海外へ行くと、めちゃくちゃ色んな人に助けられて生きていくじゃないですか。結局生きていく中で、大切なのは人なんだなっていうのをそこで感じて。その時から、常にキーワードは“人”なんですよね。
- 大井
- 最終的に働く場所はどうなったのですか?
- 鈴木氏
- 働き先を探していた3ヶ月間の最後の最後に、「5日間来ていいよ」と言ってくれたカフェがありました。
- 大井
- すごい!お店の人が、鈴木さんを採用したのはどういった理由からですか?
- 鈴木氏
- しょうがないから(笑)
- 大井
- (笑)そのお店は何回行かれたのですか?
- 鈴木氏
- そこは……5、6回行きましたね。「また来たか」みたいな感じでした(笑)もうそれだけ来るならしょうがないと。
- 大井
- なんかいいですね、そういうの。
- 鈴木氏
- いいですよね。(笑)
- この続きはVol.3の「5日間のトライアル採用から始まったバリスタ人生」で!次回更新は12月18日(金)です。お楽しみに!
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