喫茶店文化の街“名古屋”での新たな挑戦(Vol.4)
TRUNK COFFEEの鈴木さんにお話を伺っている対談Vol.4。Fuglen Tokyoでバリスタとして活躍されいていた鈴木さんは2014年に故郷である名古屋にTRUNK COFFEEをオープンします。多くのチャレンジが求められる名古屋を選んだ理由、そして鈴木さんが作る新しい流れとは?
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- 大井
- 名古屋に戻ろうと思ったキッカケは何だったのですか?
- 鈴木氏
- 元々お店を出そうと思っていたのですが、その中でなぜ名古屋かというと……今まで色んな雑誌やコーヒー特集を見てきましたけど、だいたい名古屋が載ってなかったりするんですよね。「悔しいなぁ」という想いと、逆を返せば、またデンマークに行った時と一緒で、自分を中心に何かを変えていける。オンリーワンになれるマーケットで。
まだまだこれから変化するだけのものがある、可能性があるっていうのを感じて、やるなら名古屋、面白いんじゃないか、って。「一番難しい土地」だって、みんなに言われるんですけど、「難しいだけでしょ?」っていう話で。
- 大井
- そうですね。難しい。だからこそ、やり方はきっとたくさんあるんですよね。市場がないと考えるのか、まだ、開拓の余地があると考えるのか……。
- 鈴木氏
- そうですね。コーヒーを外で飲むっていう文化はあるから、逆にそこをプラスに考えれば、すごい面白いマーケットだし。まだまだほんとに未開拓、未成熟の土地。喫茶文化としては、すごい成熟されているんですけどコーヒーはまだ未成熟なので、東京よりも面白いことができるんじゃないのか?っていうことですよね。
あとはせっかくコーヒーをやっていますし、地域貢献や社会貢献を小さいなりにもできたらなと思っています。
- 大井
- では、その戻ってこられるタイミングで、田中さんと再会したのですね。そのとき田中さんは、コーヒーはお詳しかったんですか?
- 鈴木氏
- 全くです。(笑)でも僕は、コーヒーの業界にいる人間とは一緒にやりたくなかったんですよね。
- 大井
- それはなぜですか?
- 鈴木氏
- 視野が狭くなるから。目線が違うと、お互い違うアイデアがあって広がるじゃないですか。だから違う業界をある程度経験している信頼できる人とやりたかったっていうのが一番です。
- 大井
- 以前、TRUNKさんのFacebookを拝見していたときに、「お子さん連れで飲みに来てください」というお母さんのための会とか、クラブイベントにコーヒーを振る舞いに行かれたりだとか、普通のコーヒー屋さんがしないことを、すごくされているなと思っていて。それも自由な発想ですよね。あれはどうしてやろうと思われたのですか?
- 鈴木氏
- 東京でコーヒー屋をやっていたときにコーヒーを知ってもらうための活動ってしてないなと思ったんですよ。東京では、10人のコーヒーファンがいたら、その10人の中で、何人を自分のお店のファンにできるのかっていう取り合いをしているように感じていました。全部が全部じゃないんですけど。
名古屋に戻ってきたら、お客様を取り合う前に、浅煎りコーヒーを味わったことのない人が沢山いたので、まず触れてもらう機会をどうやって増やすかということを考え始めたんです。本当の意味での分母を増やすための活動は何かなって。そのためにいろんなことをやって、色んな方々にまずは触れていただく機会を作るように意識しています。
- 大井
- そこがすごく新しくもあり、本当はそこを皆でもっとやっていくべきですし、それがすべてに今後に繋がっていくところですよね。
- 鈴木氏
- あと、名古屋という土地は保守的なところで。名古屋という世界しか知らない人が多いんですけど、その名古屋と外のエリアを繋げたいという想いもあって。最近いくつかのコーヒー屋さんでやっていますけど、“ゲストバリスタ”ってご存知ですか? あれはうちが最初にやったんですよね。
- 大井
- そうなのですね!
- 鈴木氏
- お店同士の垣根を取り払って、お互いに行ったり来たりする。そうすることでお互いが勉強になりますよね。
我々が戦うところって、小さなお店同士じゃないと思うんですよね。大手のチェーン店などでコーヒーを飲んでいる人たちに、我々のコーヒーを飲んでいただく機会を増やしていくことが大事だと考えると、まずは小さなお店同士が頑張ってスキルをあげて、文化を作っていくことが大事。県の垣根も越えて。
もちろん逆にコーヒーを通じて名古屋を知ってもらいたいというのもありますし、外の方に来ていただいて、外のコーヒーの有り方だとか、「あ、こんなものもあるんだ」、と感じていただける場所をつくりたいというのもあります。
- 大井
- すごくいい流れというか、新しい流れができようとしていますよね。
- 鈴木氏
- そうですね。徐々に徐々にですけどね。
- この続きはVol.5 の「コーヒーをブームでなく、文化にするために」で!次回更新は12月25日(金)です。お楽しみに!
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