“五感”を刺激するカフェの始まり(Vol.1)
CafeSnapの発案者大井がカフェのオーナーにお話をお伺いするプレミアム対談は今日から第7回目を迎えます!今回登場いただくのは福岡・薬院にある「ソネス デリカテッセン&カフェ」オーナーの木下雄貴さんです。
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木下雄貴さん
元俳優から転進し、1998年、当時は珍しかったカフェというスタイルで「CAFE SONES」をオープン。現在は2015年に「ソネス デリカテッセン&カフェ」へとリニューアルし、姉妹店を含め3店舗を経営。おおらかな人柄と豊かな感性で、福岡の街とカフェ業界を盛り上げる注目すべき経営者のひとりだ。
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- “福岡のカフェの重鎮”とも呼ばれている木下さん。現在の店舗の前身であり、福岡のカフェの先駆けとなった「CAFE SONES」をオープンしたきっかけや、起動にのるまでの苦労話、そして成功をいくつも重ねた今、木下さんが考える「人生の中で大切にしていること」などを伺いました。
- 大井
- 今日はよろしくお願いします。まず、「ソネス デリカテッセン&カフェ」の前進だった「CAFE SONES(カフェソネス)」について教えてください。1998年にオープンされていますが、ちょっと変わったお名前ですよね。店名はどのようにつけられたのですか?
- 木下さん
- ソネスは造語なんです。ソネスを立ち上げた18年前、福岡にはカフェが全然なくて、昔からの喫茶店以外でいうと、うちが一番古いんですね。当時どうせ作るんだったら福岡にないスタイルのお店を作りたいし、新しいものを作りたいという気持ちがあって、お店の名前も作りました。
ソネスの語源としては“five sense(ファイブセンス)”つまり“人の五感”からきています。five senseという文字を色々と組み変えていたら、たまたまソネスという名前ができたんです。響きもいいし、当時インターネットが発達していない時代だったので、辞書でパーっと調べて。「ソネスという言葉がない!これだ!」と思って決めました。今になってみると、ネットで検索すると一番上にでてくるので良かったなと思っています(笑)
- 大井
- “five sense”=“五感”にはなにか想い入れがあったのですか?
- 木下
- もちろんカフェなので、食事やお飲み物を提供するんですが、僕の中でカフェは“一つの空間”だと考えていたので、視・聴・嗅 ・味・触という五感の全てを刺激するような、色々な表現ができる場所をやりたいと思っていたんです。
というのもお店を出す前に僕は、役者をやっていたんですよ。なので、そういう表現ができる場所をつくりたくてカフェを立ち上げました。
- 大井
- なるほど。ちなみに福岡には姉妹店の「ICONE(イコネ)」「torene(トレネ)」があり、佐賀には大学内に「CAFE SONESS(ソネス)」がありますよね。その名前はどのように付けられたのですか?
- 木下
- イコネは、ソネスの次に作った店だったので、ソネスの“ネ”を残して、あとは「人々の憩いの場であってほしい」という想いをこめて、“憩い”の“イコ”をくっ付けて「ICONE(イコネ)」ですね。“トレネ”は、“ネ”は先ほどと同じで、“トレ”は、木のTREEからとりました。来てくださったお客さまが休める“止まり木”のような存在になってほしいという想いがあります。佐賀のお店は、国立佐賀大学のキャンパス内に入っていて“CAFE SONESS”と書きます。読み方は同じなのですが、“s”がひとつ多いんです。それは複数形のsだったり、佐賀大学のsという意味で、sをひとつ多くしました。
- 大井
- 佐賀大学のキャンパス内でカフェをやることになったきっかけというのは?
- 木下
- 大学内で学生に「どういったカフェに出展してほしいか?」とアンケートをとったそうなんですね。そのときに、「ソネス」と「トレネ」の名前があがったらしくて。お話をいただいて説明を聞きにいき「これは面白いかもしれない」と思って申し込みました。
(大井)大学内のカフェは、福岡の街で開くカフェとは違いますか?
- 木下
- 全然違いますね。佐賀大のカフェは、敷地は大学の中なんですが正門はいってすぐにある一般の美術館に併設していてお客様の半分は学生、もう半分は一般の方なんですね。なかなか一般の方が大学の中に来る機会はないので、ソネスは大学を知ってもらうためのアンテナショップという位置づけでもあるんです。
- 大井
- まったく環境が違うということで、出店を悩んだりしませんでしたか?
- 木下
- 自分たちはこれまで、福岡では九州大学や他のいくつかの大学と一緒にお仕事したりしたことがありましたし、僕は6年くらい専門学校の講師を務めていて「学生の人たちと関わって仕事をしていきたい」と思っていたんです。
- 大井
- それはなぜですか?
- 木下
- 学生達はお金や経験はないけど、若くて行動力があって、発想力が豊か。そういう人たちと一緒に仕事するのは楽しいですよね。僕たちの仕事は“答え”がない。お店という形はあるけれど、あとは自分たちがどう考えてやっていくかで、やり方はいくらでもありますから。
僕も年齢を重ねていけば頭が自然と固くなっていくし、いらないプライドも高くなっていかもしれない。でもそういうのは全然必要ないんですよね。学生と関わっていると、そういう余計なプライドを捨てて、頭を柔らかく、色々な発想ができるように思います。
それに僕は授業では「フードマーケティング」、要はお店を立ち上げて、どのように経営していくかをシミュレーションしながら教えているのですが、学生達は僕が考えていなかった斜めからの発想や意見をだすので「なるほど」と思うことは多々有ります。
- 大井
- 木下さんも学生からよい刺激を貰われているんですね。ちなみに、木下さんがお若かった頃はどんな感じだったんですか?
- この続きは、CafeSnap内のプレミアムコラム記事「Vol.2 “人が集まる場所”の作り方」にて公開しています。ぜひCafeSnapでチェックしてみてくださいね!
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