福岡大好き人間流の街づくり(Vol.3)
福岡にある「ソネス デリカテッセン&カフェ」のオーナー、木下さんにお話をお伺いしているプレミアムコラム。全国のカフェを巻き込んだCAFEWEEKを10年続けた木下さん。2011年からはソネスのあるエリアを中心にフードイベントを企画し街づくりに貢献されていきます。木下さんの福岡愛をじっくり伺いました!
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- 大井
- 2010年以降、CAFEWEEKはどうなったのですか?
- 木下
- 10年間で一区切りが付いたというのもあるし、北海道から沖縄まで広い範囲でやっていて、よいこともたくさんあったのですが、「全員で顔を合わせられない」というのが気になっていて。もっと“見える”イベントしたいなと思うようになりました。
そして2011年からは、“薬院サルー祭り”という、この街での企画を立てました。それはCAFEWEEKと比べたらぎゅーと小さくなって、端から端まで歩いて10分くらいの範囲。色んなお店を回って飲み歩きをするイベントで、今も毎月やっています。もう50何回目かな。
- 大井
- すごいですね。
- 木下
- 福岡っていい街で、隣同士のお店はライバルじゃないんですよね。それに同業種同士だけでなく他業種も仲が良いんです。それは福岡らしさなのかなと思いますね。もしここから300mくらい歩いたとしたら、4,5人くらい挨拶しますよ。「お疲れさまです」「おはよう」って。
ちゃんと人の顔を見て話すし、自分のことだけじゃなくて人のことも考えて仕事をできる。福岡はすごく大好きな街です。だからこの街をもっと多くの人に知ってほしいし、「この街にはこんないいお店も、こんな気持ちがいい人たちがたくさんいる」っていうことを知ってほしくてイベントをやっているんです。もっとこの街に人を集めたいし、全国でも選ばれる街になってほしいんです。
- 大井
- この街のこと大好きなんですね。私は今回で福岡に来たのが2回目なのですが、どんなところか魅力を教えていただけますか?
- 木下
- まず食べるものが美味しいし、家賃は東京と比べたらかなり安いですよね。それでいて、情報を含めて生活に必要なものは一通り揃っています。
あと街としての勢いがすごくあるんですよね。福岡は九州のリトル東京と言われていて、九州中から人が集まってきています。ここ数年、毎年1%ずつ人口が増えているんですよ。しかも若い人たちが増えているから、発想の柔らかい人たちも沢山いる。それに福岡は経済特区になっているので、ベンチャー企業の起業率が全国で一番高くて、何かやろうという人たちも多くいます。
福岡と東京を比べると、東京のほうがビジネスチャンスはたくさんあるかもしれないですけど、ある程度、色々なジャンルが掘り下げられていて先駆者の方も多くいらっしゃいます。形もビジネスモデルも既に沢山でている。でも福岡ってまだ開拓されていないことがあって、街としてのポテンシャルが高いんですよ。
- 大井
- なるほど。
- 木下
- 特に僕らがいるこのエリアのことを僕は「新しい下町」とよく話しています。このエリアは近くに大きい会社がいくつもあるんですけど、僕達みたいな面白い店もある。そして、ちょっと裏に行くと住宅も多い。「大手企業」「個人店」「街の人」のバランスがちょうど1対1対1なんです。全国にはどこかが突出している所や、どこかが足りないという所はたくさんあるんですけど、すべてがバランスよく揃っているのは珍しいですね。
- 大井
- 理想的なエリアなんですね。バランスがすごくいいと気づいたのは、どのタイミングだったんですか?
- 木下
- ここ数年ですね。今のようにとても良くなってきたのは。
- 大井
- 薬院サルー祭りのようなこのエリアのイベントが変えてきたのかもしれないですよね。
- 木下
- そうですね。僕が仕事をする中で、自分のポリシーとして大事にしていることのひとつに「店づくりは街づくり」だと思っているんです。お店一軒一軒の力は微力かもしれないけれども、「面白いことをやっていきたい」という気持ちでいることは大切だと思っています。それに、僕達のような「個人店」と「大手企業」「街の人」、みんなが仲良くなって、繋がりや広がりができれば、街は変わって行くんですよね。
- 大井
- 木下さんは街でのイベントなどを含めて、たくさんのご功績や経験があると思うのですが、木下さんが生きていく中で大切にしていることはなんですか?
- この続きは、2月2日(火)公開予定の「Vol.4 人生の中で大切にしていること」で!どうぞお楽しみに!
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