YouTubeが開いた“コーヒー芸人”の道(Vol.1)
CafeSnap発案者の大井がお話をお伺いするプレミアムコラムは今日から第9回目を迎えます! 今回登場いただくのはコーヒー芸人として活動しながら、月に一度開くサチオピアコーヒーの店主をされている、コーヒールンバ平岡さんです。コーヒーに真摯に向き合いながら、芸人という立場からコーヒーの魅力をたくさんの人に届けようとされている平岡さんに迫ります。
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コーヒールンバ平岡さん
松竹芸能所属。芸能界に入る前は、タリーズコーヒーのカフェで店長として勤務。社内のレシピコンテストで発案した“アイスエスプレッソ”が全国展開の商品になるなどの実力派。現在コーヒー芸人として活躍しつつ、豊富な知識と経験とともに月1でサチオピアコーヒーをオープンしている。
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- 大井
- 本日はよろしくお願いいたします。今回は初の新人オーナーさん編になりますね。まずは平岡さんのことを教えていただけますか?
- 平岡さん
- 松竹芸能でコーヒールンバ平岡という名前で芸能活動している芸人です。コーヒーが好きなのでコーヒー芸人という形で活動していまして、今は月1でサチオピアコーヒーというカフェをやっています。
- 大井
- コーヒー芸人として、雑誌やテレビなどでもご活躍されていますが、いつからコーヒー芸人になられたのですか?
- 平岡さん
- 実は、最初に松竹芸能入ったのが10年以上前で、2年間活動して一度辞めているんです。そこからタリーズコーヒーのカフェで店長を4年間やっていました。その後、もう一回、松竹芸能に戻ってきたときに「カフェで働いていたから美味しいコーヒーが淹れられるだろう」と、先輩の楽屋にコーヒー淹れに来いと言われたんです。そこがきっかけですね。
- 大井
- そうなんですね。どんなことをされていたんですか?
- 平岡さん
- 先輩が楽屋入りする前にコーヒー器具をテーブルにセッティングして、この格好をして待っているんです。先輩入ってきたら「いらっしゃいませ」とカフェを始める。すると「これはいい楽屋だ」となって、「次のライブにも来い」と呼ばれるうちに、どんどんライブの規模が大きくなって、松竹芸能のトップの方々が出るようなライブにも出入りさせてもらえるようになったんです。
- 大井
- それはすごいいいことですね。先輩に会えるチャンス!
- 平岡さん
- ものすごく緊張しますよ。舞台に立ってないのに「こんなにプレッシャーを感じるんだ!」っていうぐらいの(笑)すごいプレッシャーでした。
- 大井
- そこでの反応がすごくよかったことが「コーヒー芸人」になるきっかけだったのですか?
- 平岡さん
- “社内的”にはひとつのきっかけでした。でも、なかなか社外、というか一般の方に知っていただくのは難しかったですね。
- 大井
- 復帰されたのは2010年ぐらいですよね。当時は今ほどコーヒーに注目が集まっていなかったからでしょうか。そこからどうやって変わっていったのですか?
- 平岡さん
- 1つきっかけはYouTubeですね。「平岡コーヒーツアーズ」というチャンネルを勝手に始めたんです。
- 大井
- 「カチャ!」って缶コーヒーを開ける音から始まるんですよね。
- 平岡さん
- はい。最初はコーヒーの淹れ方やカフェの動画を流していました。それも始めたきっかけは、芸人ふたりで銀座にいたときに、コーヒー屋さんに行こうという流れになって、勝手にムービーまわし始めたんですよ。番組風に、ちょっとふざけてやってたんですけど、せっかく撮ったからアップしてみようとYouTubeにあげたことが始まりです。
ほんとに申し訳ないですけど、怒らないでほしいんですけど(笑)、いろんなカフェのところに行ってはこっそりカメラまわして、SCAJ(スペシャルティコーヒーアソシエーションオブジャパン)という大きなコーヒーの大会があるんですけど、そのレポートをしたりもしていました。あとは、バリスタ世界チャンピオンの方の催事にアポなしで行ったり……。
その頃は認知度もゼロだったので「もう行くだけ行く!」みたいな勢いでやっているうちに、なんとなく顔を覚えていただけたりするようになって、そのうちにその動画がテレビ番組の製作スタッフさんの目に留まったんです。「コーヒー好きな人探してたよ!」とチャンスをいただいて、少しずつ番組に出させてもらうようになり今に繋がっています。
- 大井
- 今や月に一度、サチオピアコーヒーというカフェをされていますよね。サチオピアコーヒーはなぜ始められたんですか?
- 平岡さん
- 自分が伝えたいことを“実際に表現する場”にしたいと思ったんです。
- 平岡さん
- 例えば、僕はブログやSNS、メディアで「こんな美味しいコーヒーがあるよ」「このスイーツとのマリアージュがオススメだよ」と、“伝えること”はしてきているんですけど、それを自分なりに表現して、少しでもお客さんに体験してもらって知ってもらえたらと思っていて。サチオピアコーヒーはそういう場になれればいいなと思って、メニューも考えています。
2月のことでいういと、コーヒーはリンゴのようなさわやかで甘いフレーバーがあったので、パウンドケーキの中にりんごの果肉を入れてみたり、爽やかな酸味に合うようにレモンを使ったスイーツ作ってみたり。自分が薦めてきたことを、実際表現するように心がけています。
- 大井
- 様々な所で平岡さんが話されたり提案したことが、サチオピアコーヒーで体験できる、いわば“集約地”なんですね。
- 平岡さん
- 全部ではないですけど、そうなればいいなと思っています。普通は、カフェがあってそこから発信するっていうのが一般的ですけど、発信したことがカフェになるっていうのはあまりないですよね。
- 大井
- そうですよね。なんだか次回、カフェにお伺いする時は、色々質問したくなっちゃいますね。「これはどこのメディアで話していたことを表現されたコーヒーなんですか?スイーツなんですか?」って。
- 平岡さん
- 聞いてもらえたら嬉しいですね。
- 大井
- 平岡さんがコーヒー芸人として活動する上で意識されているはありますか?
- 平岡さん
- 「コーヒーはすべていい」ということを伝えることですね。
もちろん、スペシャルティコーヒーの美味しさはもっと広めていきたいんですけれど、じゃあ「チェーン店のコーヒーはどうなのか」、「コンビニのコーヒーはどうなのか」となったっときに、それを好きな人もいるし、ライフスタイルにあっている人がいる。それにそのコーヒー豆を作っている人がいる……と考えると、どれも全部いいんですよね。
「俺、缶コーヒー飲まないんですよね」と言われるとやる気出ちゃう(笑)そういうのも全部ひっくるめてコーヒーだし、ライフスタイルに合わせて楽しんでもらえるようにオススメしたいと思っています。
- 大井
- 前からそのような考え方なのですか?
- 平岡さん
- 僕自身がチェーン店出身というのもありますし、前からそうですね。以前、「おいしいコーヒーの真実」というコーヒー農園の方の生活が描かれた映画を見てから「スペシャルティだけっていうわけにはいかないな」という考え方になっていきました。
- 大井
- コーヒーを作っている方々や、運ぶ人、バリスタ、コーヒーに関わる全ての人たちをリスペクトされているのですね。
- 平岡さん
- そうっすね。もう全てです。
- 大井
- コーヒー愛ですね。
- この続きは、CafeSnap内のプレミアムコラム記事「Vol.2新米カフェオーナーの奮闘記」にて公開しています。ぜひCafeSnapでチェックしてみてくださいね!
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