新米カフェオーナーの奮闘記（Vol.2）

コーヒールンバ平岡さんにお話をお伺いしているプレミアムコラム。Vol.2は月1で開いているサチオピアコーヒーについて。一緒に働く芸人仲間のこと、立ち上げ時に苦労したこと、嬉しかったことなどを伺いました。

平岡さん: 最初は大変でしたね(笑)。まず家の中がぐっちゃぐちゃになるんですよ。何を準備したらいいのかも分からない状態からスタートしたので、カフェの機材とか道具で超荒れました。

サチオピアコーヒーは、僕と兼重とおでんの芸人3人でやってるんですけど、「カップがいくつあったら足りるんだろう？」「洗うのも含めるとあと5つは欲しい、いやでもお金ないよ！」みたいなところから討論してました。

平岡さん: もともと、兼重とはルームメイトで、おでんも前からなにか一緒にやることが多かったんですね。なんでその２人にしたかというと……ほんとにもう“忍耐強い”からです。あの2人の忍耐強さは日本でもトップクラス！(笑)。

大井: それはどのような(笑)？普通の芸人さんもご苦労する時期があると思うので、相当忍耐強いと勝手に思ってたんですけど、それをさらに上回る忍耐強さなんですか？

平岡さん: 上回りますね。というのも、サチオピアコーヒーをやることになって、みんなで仕事を分担したんですね。「おでんは料理が得意だからカレーを作ってほしい」と伝えて、試作品を作ってもらったんですけど、「ダメだ、何かが足りない。何か足してくれ。」って言って、何回もダメだしをしたんです。結局、最終的にセロリとヨーグルトを入れるというところまで彼は辿りついたんですけど。付け合せにしても「これじゃだめ、これじゃだめ」ってダメだしを繰り返しするんです。

いろんな芸人の活動や他の仕事もありながら、夜な夜な何度も試行錯誤してくれる。しかも、その見返りとして大きな報酬あるわけでもないんですよ。それでもそうやってくれるのは、「すごいな」って僕は思うんです。よくやってくれるなって(笑)。

兼重は、お店のロゴや前回発売したオリジナルブレンドの袋のデザインを担当してくれていて、それも最初に5パターンくらいデザイン案を出してもらって、「全部違う」みたいな(笑)。でもまた何パターンか出してもらって、さらに「変えてくれ、変えてくれ」って言うんですよ。よくやってくれるよなって(笑)。本当に僕は恵まれています。

平岡さん: どうなんですかね。ただ、僕が言ってるのは……僕はもちろんカフェをやりたくてやるわけですけど、「ふたりもやるにあたって、自分なりのメリットを探してくれ」と。それは単純に「知り合いのお客さんを呼んで楽しんでもらって日ごろのお礼をしたい」でもいいですし、料理の勉強をして料理芸人になるでもいいし、何かしら「自分のメリットを探してくれ」と言っています。

平岡さん: 彼は仲のいい女子を呼んでは過剰なサービスを勝手にするという被害に我々はあっています。（笑）「また始まったよ～、兼重、喋ってないで仕事しろよ！」って！（笑）

平岡さん: 嬉しかったことはきりがないですね。まず単純に「できた」ということが嬉かったし、毎回来てくれるお客様がいるのも嬉しい。僕のコーヒーのつながりの方がご来店くださるのも嬉しい。ほんと、きりがないですね。

芸人の後輩や先輩もたくさん来てくれるんですけど、よゐこの濱口さんもお忙しいのに来てくださったり、あとは後輩がみんなで来てくれたり、時には他の事務所の芸人さんも急に来てくれたりします。「会いに来てくれたんですか？」と聞くと「いや、純粋にコーヒーが好きで」と言われたりして。（笑）理由はなんであれ、サチオピアコーヒーがみんなの“交流の場”になっていて、そういう意味でも楽しいですね。

1回目2回目の頃は準備も大変で、お客さんが来てくれるかも心配でバタバタでやっていたんですけど、今は芸人のお仕事で大変なことが続いても、「今週はサチオピアコーヒーがあるからそこまで頑張ろう」って心のよりどころみたいになってきている感がありますね。