僕はコーヒーとデートする(Vol.3)
サチオピアコーヒー店主のコーヒールンバ平岡さんにお話をお伺いしているプレミアムコラム。Vol.3は平岡さんとコーヒーの関係について。平岡さんらしいコーヒーとの向き合い方に話が盛り上がりました!
-
- 大井
- 仕事じゃなく「今コーヒー淹れたいな」って思うタイミングはありますか?
- 平岡さん
- 豆を買った時は「淹れたいな」と思いますけどね。あとは……夜、一人の時ですね。
- 大井
- それはどういう心境で?
- 平岡さん
- 寂しいから。寂しいからです。寂しいからコーヒーを淹れるんですよ(笑)。
- 大井
- コーヒー淹れると寂しくなくなりますか? それはどうして?
- 平岡さん
- 僕は、コーヒーを例える時に、女性に例えることが多いんですよ。
- 大井
- はい……。
- 平岡さん
- たぶん僕そういう見方をしてるんだと思うんですよ。
- 大井
- どういう意味ですか?
- 平岡さん
- コーヒーを女の子だと思って見てるんですよ。それぞれの豆に対して、こういう性格の子だと。
コーヒーを淹れる時はその子とのデートなんです。「今日はどういうデートをしようか」って。家でまったりしたいのか、外でアクティブにいきたいのか、どういう気持ちになっていてほしいのかということを考えています。
- 大井
- この子は性格が激しそうだから温度はぬるめで丸くしてあげようかな、みたいな?
- 平岡さん
- そうです、そうです。そういうことなんですよ。お湯を注ぐときも何度の方がいいのか、どういう注ぎ方をすると心地いいのか。「お湯は女性に触るようにそっと優しく、ザバッと強く注ぐと嫌われるぞ」とか思いながら、なんとなく女性として見るというのが染みついています。
- 大井
- コーヒーの抽出がデートだと思ったら寂しさはまぎれますよね。
- 平岡さん
- まぎれますよねー(笑)。だから寂しかったり一人でいたりすると、コーヒー淹れたくなる。自分の中ではそうなんですよ。
- 大井
- すごい。今までにない考え方ですね。
- 平岡さん
- カフェの方から見たら「こいつ、何言ってんだろう」って、思うでしょうね(笑)。
- 大井
- いやいやいや(笑) 。豆を見て「この子はどんな子なんだろう」って考えているということですよね?
- 平岡さん
- はい。新宿角座という劇場で、毎月配っているお笑いの公演のちらしがあるんですけど、その中に「今月のコーヒー彼女」っていうコーナーがあって。「今月オススメするのはこの子です」って紹介しているんです。
- 大井
- すごいおもしろい(笑)
- 平岡さん
- それでいうと、前回のサチオピアコーヒーで出させていただいた、オリジナルのサチオピアブレンドというコーヒーはすごく難しかったです。いい子すぎたんです。
いい子すぎて、どこに連れていっても、どんなデートをしても、すごくニコニコしていて楽しそうなんです。でもそうなると逆にちょっと不安になりませんか?「ほんとにそう思ってる?」みたいな。「ほんとの笑顔見せてくれてる?」って。
不安になるから、さらにどんどん知りたくなるんですけど、「私はいつも楽しいよ」って言われてるみたいな……。本心ですごくいい子なんだと思うんですけど。いい子だからこそ「もう1つ上の笑顔があるはずだ!」って追いかけたくなる、そんな子でしたね。
- 大井
- すごく美味しかったです。冷めてくるとふわっと優しい酸味が香る感じで。
- 平岡さん
- 時間でちょっと変わりますよね。彼女は、ほんと最初待ち合わせの時からバイバイの時まで、笑顔の素敵ないい子でした(笑)。
- 大井
- さきほど全てのコーヒーが好きと言われていたので、どんな性格の子が来てもある程度その子を認めるというか、受け入れる態勢が平岡さんにはあるということですよね?
- 平岡さん
- もちろんです。すべていい子ですから。そういうことです。
- 大井
- じゃあ人を見るときも?
- 平岡さん
- もちろんです。
- 大井
- 愛に溢れていますね(笑)。
- 平岡さん
- そういうところに、兼重やおでんは共感してくれたのかもしれないですね。
- 大井
- なるほど。そうですね。
- この続きは、3月8日(火)公開予定の「Vol.3 バリスタ日本一を決める大会で見たプロ魂」で!どうぞお楽しみに!
注目トピックス
新着の投稿
新着まとめ
地域を選択する