3人が追求する、美味しいコーヒー(Vol.3)
GLITCH COFFEE&ROASTERSの鈴木清和さん、FUGLEN COFFEE ROASTERSの小島賢治さん、TRUNK COFFEEの鈴木康夫さんにお話を伺っているプレミアムコラム。Vol.3 では「3人が追求する、美味しいコーヒー」について伺いました。彼らのコーヒーのことをまた少し、深く知ることができるはずです。
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- 大井
- 4月23日、24日に開催されるCOFFEE COLLECTIONは「世界最高峰のコーヒーが集う、特別な2日間」とうたっていて、いわゆるトップロースター9店舗が参加するフェスティバルだと捉えています。コーヒーファンに支持されるトップロースターになれたのは、なぜだと思いますか?
- キヨさん
- 様々な国の色々なコーヒーを飲んで、自分の好きなコーヒーを見つけて、その上で自分が求める美味しさを追求しているからでしょうか。ただ、自分のコーヒーだけでなく、例えばFUGLENやTRUNKのように他店にも美味しいコーヒーはあるので、それを飲んでなぜ美味しいんだろう、どうやって作っているんだろう、どこから豆を仕入れているんだろうと考えたり、情報交換をして、柔軟に学び続ける事が大事ですね。
- ヤスオさん
- 今までの日本は“職人は技を隠す”みたいなところがあって、協力しながら学ぶというのは少なかった気がするんですよね。僕は特におふたりに比べたら、荒削りで、もっと努力していかないといけない立場です。だから色々なことを学んで、それを自分の考え方に落ち着かせるということを常にやっています。現状に満足せず、世界には美味しいコーヒーがたくさんあるので、色々な情報や考え方、味の作り方をどんどん吸収して、自分のものにしないとまだまだゴールは遠いなと思っています。逆をいえば、トップロースターなんて申し訳ない、発展途上だとしか思っていません。
- 小島さん
- ちなみに、私達がトップロースターと呼ばれるのは、どういうカテゴリや、何のトップロースターなのでしょうか?コーヒー豆を販売しているという点では、私達よりも大きな売り上げを出しているところもあるし、世界チャンピオンを輩出している店もある中で、どういう意味でのトップロースターと言っていますか?
- 大井
- “浅煎り”というジャンルでのトップロースターだと思っています。
- 小島さん
- 私達はよく“浅煎り”と言われますが、浅煎りを目指しているわけではなくて、豆の個性を表現する焼き方をしてみたら、他の人から浅煎りといわれることが多かった、というだけなんです。分かりやすく言うためのキーワードが“浅煎り”でもいいんですけど、「私は浅煎りをやろうとしているわけじゃない」というところをまず知っていてほしいです。もしかしすると、いつか豆によっては深煎りもするかもしれないです。
- ヤスオさん
- それはうちも一緒で、浅く焼きたいわけじゃないんですよね。美味しいところを狙って、狙ったそこが結果的に他の人から見てみたら「浅煎り」と呼ばれている。僕は「美味しいコーヒーが作りたい!」それだけです。
- キヨさん
- “素材を活かす”ということは大きく変えないですが、確かに今とは違うテースティングポイントになる可能性はありますね。
- 大井
- 2016年、すでに3ヶ月が過ぎましたが、今年やりたいことや目標をお伺いできますか?
- 小島さん
- 私はノルディックロースターチャンピオンを目指したいです。日本の大会は5キロ豆が送られてきて、何の豆か分からないまま、見て、感じて、焼いて200gを大会も持って行くというルールなんです。うちの焙煎機は6キロからしか焼けないので器具の規格がまずあってないし、テストも出来ない。条件があわないんですよね。北欧はエントリーする豆も自分で選べますし、どんなロースターでも出場できるように考えられたルールなので、そちらでチャンピオンを目指したいです。
- キヨさん
- 前回のCOFFEE COLLECTIONに多くの人が来てくれたことで、本当にやってよかったなと思いました。これまではお店で小さいセミナーを何度もやっていましたが、これからはもっとたくさんの人にコーヒーの魅力を伝えたいですし、どうやったらもっと多くの人にアプローチできるのか、試行錯誤しながらコーヒーを広めていきたいです。
- ヤスオさん
- 大前提として、より美味しいコーヒーを追求することは言うまでもないのですが、うちが他と違うのは“変化球を提案すること”だと思っているんですね。先日発売したコーヒービールのように、コーヒー×異業種で新しいものをクリエイトしていきたいと常に思っています。これはコーヒー業界の方を驚かせたいという想いもありますし、異業種の方とつながることでお互いのお客様にそれぞれの魅力を伝えることができて、ひとつの啓蒙活動になるんですよね。あとは名古屋で活動しているので、地元の産業と絡む事でお互いに良い相乗効果を持たせたいです。名古屋は地味な土地ですから、自分たちの活動をきっかけに、小さい単位かもしれないですけど、名古屋のことを他の県の人や世界の人に知っていただけるようにアプローチをかけていきたいです。
- 大井
- なるほど、よく分かりました。詳しいお話をありがとうございました。
- 4月22日(金)公開のVol.4はROASTERS SELECTIONでGLITCHの鈴木さんが選んだグアテマラ・サンタクララのコーヒー豆について。2月に農園を訪れた鈴木さんがそこで見たもの、感じたこととは……?
撮影:名取和久、ライティング:大井彩子(CafeSnap)
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