“日本人らしさ”を活かしたブランドを目指して (Vol.4)
Minimalの山下さんと田淵さんにお話をお伺いしているプレミアムコラム。Vol.4は「“日本人らしさ”を活かしたブランドを目指して」です。Minimalが日本中、世界中の人々に向かって発信している“日本と日本人の素晴らしさ”とは?
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- 山下さんと田淵さんの出会い
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- 大井
- Minimalをオープンされたのは約1年半ぐらい前だと思いますが、もともとお二人の出会いはいつだったのですか?
- 田淵さん
- 大学が同じで、その頃は顔は知っていて一回飲んだかな~くらいだと思います。
- 山下さん
- 社会人になってからも1年に1回ぐらい飲む機会があって、話をしていたときに、志や社会に対する問題意識みたいなものが近いなと感じていました。
僕は田淵のことを問題意識の高い人だと思っていて。もともと彼は大学の卒業後にIT会社に入ったんですけど、青年海外協力隊に興味を持ちながら、沖縄で産学連携みたいなことを仕掛けて地方活性に関する仕事をしていました。
社会に貢献する方法はボランティアを含めて様々ありますが、みんなが幸せになるために“ビジネスという手段を使っていかに価値を作り、利益を循環させていくのか”ということを彼はずっと考えていて、そういう話をずっと聞いていたんですよ。それを今はチョコレートでチャレンジしていると思います。
- 田淵さん
- 僕の思っている山下は、右脳と左脳のバランスがすごいいい人間。遊び心やイマジネーション、「こうだったら楽しいよね」という空想やデザイン的な思考をしながら、それを実行していくために「何をやるんだっけ」というところも考えられる。僕自身は結構慎重な方だと思うんですけど(笑)、彼の場合は「やらなきゃわからないんだからやればいいじゃん!失敗なんか痛くもかゆくもねぇぜ!」みたいな感じで、どんどん物事を進めていってくれるんです。
Bean to BarもMinimalも、取り組みの全てが基本的に全部新しいことですよね。Bean to Barをお客さんに知って頂く、ということも初めてですし、そもそもチョコレートを嗜好品として捉えていきましょうというのも初めてのこと。
そんな中でも、多くの方に知ってもらって、様々なチャンスもいただいて、「身の丈に合うのかな」と心配になりながらも、「でもやらなきゃわからないじゃん」という時に、彼は基本的に「やるでしょ!」ってどんどん進めてくれる。何かうまくいかなかったとしても、失敗はひとつの事例でしかなくてポジティブに切り替えていく力があるので、「実行してフィードバックして、次いこう」とガンガン進めてくれる、Minimalになくてはならない存在です。
- 山下さん
- 彼にお金渡してます。(笑)
- 田淵さん
- Minimalの立ち上げにいたっては、僕はこれまでの社会人経験から、物づくりというか、いいものやいい人がやっていることをビジネスに展開したいしてより多くの人に伝えたいと考えていたんですね。そして、彼は彼でこれまでコンサル会社で働いていた中でいろいろ見て、お互いのタイミングがあったんですよね。
- 山下さん
- 僕は中小企業のコンサルもよくやっていました。日本は素晴らしい技術があって海外でもNo.1ということもあるのに、「うまくやれてない」っていう現実を目の当たりにしてきました。僕は組織の人事制度や人材の育成をコンサルティングすることが多かったんですけど、組織と事業は両輪なので、事業側がうまくいかないとつぶれてしまうこともありますし、逆にいえば最初マーケティング的にヒットしても、実は中身がなくてうまくいかないというのもありました。
- 世界に誇る“日本人らしさ”という付加価値
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- 山下さん
- 日本には物質的な資源はないじゃないですか。そんな中でも、日本でいう資源はなんだろうと考えたときに、みんなが言うのが“人”なんですけど、それはさらにどういうことかというと、“日本人の国民性”というか、“キメの細やかさ”が付加価値と競争優位性の源泉になりうるんだろうなと思っているんです。
日本や日本人の“きめ細やかさ”みたいなものをプロダクトとして作って、それをブランディングして、海外に売って行く、そうすると外貨がちゃんと入ってきて国に還元できる。「これは1つ意味があることだろうなぁ」と、考えたのが30歳の頃です。
僕も彼も海外によく行くんですけど、その中で感じることは「やっぱり日本って素晴らしい」ということなんです。日本人は繊細できめ細やかで、細かいところまで気にする。それをモノ作りでみたら、「あのおじちゃんが作るネジがすごい」みたいな話でしょうし、食べ物で言えば食はすごくシンプルで美味しい。日本人のサービスはすごい心遣いがある、日本人の良さをきちんとビジネスに落とし込んで、世の中の人に知ってもらいたい、紹介していきたいと考えています。
- 山下さん
- 僕らは「日本人の視点からチョコレートを新しくしたい」と思っているんです。西洋的な足し算の考え方じゃなくて、引き算の、素材の味を活かすという和食的な解釈をチョコレートにしています。もう一度素材にフォーカスするとチョコレートの作り方やアウトプットするものは変わってくるんじゃないかと考えていて、それは日本人だからできる発想だとも思うんです。だからこそ西洋でもう何百年も伝統と文化があるチョコレートの世界に、日本人ならではの考え方と、“日本人が作っている”ということで、新しいチョコレートの可能性を提案して、それが広がっていったらすごい面白いなと思っています。
- 大井
- なるほど。確かに、日本や日本人の国民性は素晴らしいですよね。それを活かしてチョコレートに反映していくというのは、すごく面白いですね。
- 山下さん
- 日本人は本当にいいものを作るし、日本的な発想でとらえなおしたときに、世の中に新しいものが提供できる。僕らはチョコレートを通じて少しでもそこに寄与できたら、生きているうちに仕事をする意味がもっと出てくるんじゃないかなと思っています。
- この続きは、Vol.5の「ブームではなく文化を作る、Minimalの挑戦」で!次回は、 6月3日(金)公開予定です。どうぞお楽しみに!
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