ブームではなく文化を作る、Minimalの挑戦(Vol.5)
最終回となるVol.5は「ブームではなく文化を作る、Minimalの挑戦」がテーマ。6月1日にオープンしたばかりの銀座店について、そして山下さんと田淵さんにとっての「カフェとは?」をお伺いしました!
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- 新店のコンセプトは、チョコレートスタンド
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- 大井
- 6月1日(水)には銀座店がオープンしましたね。お店のコンセプトをお伺いできますか?
- 山下さん
- “Bean to Bar Stand”というコンセプトで、気軽に入れるコーヒースタンドのイメージに近い、チョコレートスタンドです。
僕たちはBean to Barを文化にしてきたいと考えているので、もっと多くの人にちゃんと伝えて知ってもらって、当たり前の選択肢の1つになっていかないいけないと考えています。そうしないと、「一過性のブームで終わってしまうのでは」と。
僕らのブランドが大きくなることはもちろん重要ですが、Bean to Barの業界全体が盛り上がっていくことが重要。そう考えたときに、「Bean to Barって何? わからないんだけど」という人でも気軽に入れて、気軽に知れて、気軽に体験できる。気軽にBean to Barの世界観をわかっていただけるように、日本、そして世界中から人が集まる銀座にチョコレートスタンドを開くことにしました。
- 田淵さん
- Bean to Barのお店はうちも含めて、大きな駅から少しはずれたところで、自分のペースでやっていらっしゃるお店が多いんですね。それはBean to Barのカルチャーではあるんですけども、お客さんにとってアクセスがいい状態ではない。だからちょっと頑張って銀座という街に出して、僕たちを入口にみんなが、「MinimalのBean to Barはこうだった、他のBean to Barも食べてみたい」と言う風になってきたら業界全体が盛り上がっていく。そんな一助になったらと思っています。
- 大井
- 日本の人と世界の人に発信していくっていうのは素晴らしい発想ですね。
- 山下さん
- 銀座店はたくさんコミュニケーションをとれるように、あえてカウンターにショーケースを配置していません。後ろにショーケースを置くことで、お客様と話をしたり、質問をしていただくきかっけを作るデザインになっています。
うちのチョコレートはカカオと砂糖だけしか使っていないのに、ベリーや様々な素材の味がします。でもお客様がそれを知らなかったら、「ベリーの入ったチョコレートでしょ」と思ってしまいますよね。もし話をするチャンスがあって、「実はカカオという素材だけの味なんですよ」と伝えることができれば、それは驚きに変えることができる。「なんも入ってないのにすごいね」って。そういう新しい価値の提案をしていきたいと考えています。
- 大井
- 銀座店限定の商品などはありますか?
- 山下さん
- 銀座から始めることでいうと、自分が好きな一口サイズの板チョコをセレクトして入れられる“テイスティングセット”という詰め合わせボックスを考えています。
例えば、NUTTY、FRUITY、SAVORYの3種類をひとつずつ入れてもらってもいいですし、NUTTY2種に、FRUITY1種という感じで気に入ったものを入れてもよくて、好きにアレンジして楽しんでもらえたらと思っています。
- カフェは自分の“好き”を見つける場所
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- 大井
- 最後に対談をさせていただている全ての方にお伺いしている質問で「あなたにとってのカフェとは?」を教えていただけますか?
- 田淵さん
- 僕はカフェやカフェバーでカウンターに座って、マスターやバーテンさんから新しい情報をいろいろ聞くのがすごく楽しくて。「僕はこんな味が好きで、こないだこんなの飲んだんだよね」っていうヒントくらいの情報しか渡せなかったとしても、「それが好きってことはきっとこれが好きだよね」とおすすめしてくれて。それも当ったり外れたりしながら自分の「好き」を見つけていくプロセスがすごく楽しい。カフェは一人で行くことが多いので、“自分の好みを一緒に探してくれて、それを楽しめるスペース”という印象ですね。
- 山下さん
- 僕は完全にリラックスする場ですね。大好きなんです、カフェ。仕事するのも気分転換するのも、誰かとお茶を飲むことも。いろんなカフェ行きますし、休日も本を読むのが好きなんでカフェに行ったりします。よくサードプレイスって言いますけどそんな感覚がすごくあって、すごく特別な場所な気がしてますね。
- 大井
- 自分好みを探せる場所……おっしゃるとおりですね。今日は貴重なお話ありがとうございました。
- ■おすすめメニュー
ホットチョコレート 702円(税込)
- 次回のプレミアムコラムは、先日行われた神保町コーヒーコレクションの連動イベント「なぜ最近コーヒーフェスティバルが多いのか?」のトークイベントの様子をお届けします。CafeSnapブレンドを焙煎してくださっている焙煎士の狩野知代さんと、ライター・エディターの藤原ゆきえさんが2000年頃からコーヒーとコーヒーを取り巻く環境がどのように変化してきたのかを語ります。スタートは、6月10日(金)。どうぞお楽しみに!
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